酒精雑記

飲む日も飲まない日も

『太陽の塔』

ペンギン・ハイウェイ』を見終えたタイミングであったので、書架で目が止まった本作を購入。ファンタジーノベル大賞受賞作であることは知っていたが、これが森見登美彦のデビュー作であることは不覚にも読後に知った。処女作には作家のすべてが詰まっているという法則を良く理解できる一作である。

京都という土地柄が学生に対して甘く優しすぎるせいか、氏の描くグータラ生活なぞ真の学生の孤独にあらずとは感じるものの、本作のストーリーはほぼすべて、水尾さんとの日々を回想する形で彼女を描写する2頁足らずの文章を真面目に描くことに対する気恥ずかしさの言い訳であるとすれば、まあ、これはこれで、えじゃないか、とも思う。

 

『ペンギン・ハイウェイ』(映画)

レコ大を横目で見ながら森見登美彦のSF大賞受賞作のアニメを視聴した。既読の原作の字面からはなかなか想像がしにくいあれこれについて、自分がきちんと理解できているのかどうかを確認する目的で観たのだが、まずまずイメージできていたということがわかったのはかえって意外であった。このところの豪雨災害などの記憶に照らしても、「海」の崩壊がもたらすはずの惨事がスルーされていることがどうしても気になってしまう。住宅街にペンギンを出すところから構想された小説ということでもあり、SF大賞という目ではなく、やはりかぐや姫的ファンタジーとして観るべきなのであろう。

ルーティン

12月31日の酒量 ヱビス350×1、日高見2合半

1月1日の酒量 ヱビス350×1、シャンパン×3杯

休みの日にしかできないことをと考え、12月30日には朝イチで数年ぶりのスマホ機種交換を行い、アプリの入れ替えやら設定のカスタマイズやらで日中を過ごす。元々の機種が著しくローエンドだったので、さして高い機種ではないのに猛烈に快適となった。

12月31日は昼前に妻から頼まれた生鮮の買い物に出た折に書店に立ち寄り、10冊余りの小説を買い込む。前日に出向いた近隣の小型書店も、かつてはもう少し文庫本が充実していたように記憶していたのだが、新刊+αという当たり前の棚になってしまっていて、全く買い物が進まなかった。この日はもう一回り大型の個性派書店に出向いたところ、通路を回るたびに読みたいタイトルが目に入るため、大変仕入れがはかどった。リアル書店を訪れること自体が稀になってしまっていたので、久々に罪滅ぼしをした気分となる。夕方からは妻と知人宅などを車で巡回し、蕎麦と刺し盛りを仕入れて帰宅。刺し盛りで一昨日に購入しておいた日高見をぐいぐいと飲み、家族であーでもないこーでもないと出演者を論評しながらゆるゆると紅白を鑑賞し、湯豆腐と牡蠣鍋を食べ終えたところで年越し蕎麦を啜る。

日付がかわって新年を迎え、深夜に家族で近くの氏神様まで徒歩で出向いてささやかな初詣。社務所前で御神酒とぜんざいを振る舞われる中、近隣の顔見知り家族らにも新年のご挨拶。

朝は自宅でお屠蘇と雑煮で新年を祝い、昼前からは実家でおせちをつまみはじめ、実父に撮りためたHi-8のビデオをSDカードに落とす方法を指南し、家族の古い動画を楽しく視聴した。NHKでウィーンニューイヤーコンサートの中継が終わるころに帰宅。

恒例のルーティンを例年どおりこなせることは本当に何よりであり、良い年の始まりとなった。

 

『怪しい彼女』

昨日の酒量 ヱビス350×1、ヱビス黒350×1

レコ大を横目に、シム・ウンギョンの顔芸と歌声を楽しめる快作を視聴した。おばあさん時代のおばあさん役の女優さんも、八千草薫をがらっぱちにしたような風貌で、よく考えるとヒドい人格なのだが、そこはかとない品の良さが滲み出ているので、なんだか許せてしまう。息子役の物静かな教授の演技が全体を引き締めていて好印象。バンドものにありがちなメンバーが事故で来られなくなるというベタな展開も、再変身のきっかけという必然のストーリーとなっていて、抵抗なく受け入れることができた。再度の老いという究極の選択のみならず、その後日談まで軽やかに提示してハッピーエンドとしたところも最高だ。

『ほかならぬ人へ』

昨日の酒量 シャンパン1杯、日本酒1.5合

昨夜は恵比寿と品川ではしご酒をしながら、白石一文の表題作を読み切った。

手酷く裏切られた男と手酷く裏切る女がそれぞれ主人公となる中編がカップリングされた1冊で、正直なところ直木賞のイメージとは全く合致しないのだが、2作で丁度表裏一体という趣となっており、それぞれに面白い作品であった。主要な登場人物はそれぞれに壊れたところがあるのだが、いずれもサラリーマン稼業については不思議な誠実さを持ち合わせているという設定となっているところに、クズと呼ばれるべき人々を愛しく見つめて描き続けるこの作者独特の倫理観があらわれているのかもしれない。

『光炎の人』(上・下)

昨日の酒量 ヱビス350×2

なかなかまとめて読む時間がとれなかったが、通勤の往復などの隙間を使いながら木内昇の表題作を1ヶ月弱で読み切った。技術と倫理、歴史と庶民、そして出自と出世といういずれも骨太のテーマを3本しっかりとからめながら、孤独な男の哀れな生涯がまとった熱量と狂気を描ききった作家の力に圧倒された。作者と伴走した校閲担当者の闘いの跡を感じさせるあとがきも良い。

Word文書に自由な配置で画像を貼り付ける方法

12月25日の酒量 ヱビス350×1

12月26日の酒量 琥珀エビス350×1

12月27日の酒量 イタリアワイン×6(微発泡、白、ロゼ、赤、赤、濃甘白)、ホットワイン×1、PunkIPA×1本、ブルームーン×1本

一応公式には仕事を手じまいしたので、相方と午後3時台から恒例の年末反省会兼打ち上げを敢行。明るいうちから酒を飲めるというのは良いことだと、料理との相性を考えてお店が勧めてくれるグラスワインを片端から飲み干してみた。まだ実際には仕事が残っているし、まああれこれといろいろなことにも遭遇した多忙な1年ではあったが、最終営業日に幸せな数時間を過ごせたことでよしとしておこう。

さて、Word文書に説明用の画像や図表を貼り付ける際、横に並べて貼り付けるという方法がわからず試行錯誤していたところ、某ブログに書かれていた「文字列の折り返し」から「行内」以外の設定にすればよいとのアドバイスに辿り着いて簡単に解決にいたった。自分の使い方だと「上下」を選択するのがベストのようだ。

段組をいじってなんとかしようとしていた苦労は全く無駄な作業であった。もっと早くググって調べておけばよかったと反省。

『クリスマス・キャロル』(1984版)

12/23の酒量 休肝

12/24の酒量 シャンパン2杯、赤ワインボトル1/2

1000円で丸鶏を購入し、2日間ブライン液につけ込んだものをオーブンで焼いて家人と食べた。400ccの水に20gの砂糖と20gの塩を入れ、おろしにんにくや適当なハーブを放り込んで、レジ袋に入れて鶏を浸すというだけの作業だったが、塩加減も丁度で、案外と上手くできあがった。

オーブン内の焼き目を気にしつつ、BGM代わりに標題の映画を横目で視聴したが、幼少期に観ていたら確実にせなけいこ的なトラウマが残ったであろうシーンに満ちあふれた、まさかのホラー映画であった。胸毛のサンタに出会ったら決して緑のガウンの裾をまくってはならないという教訓を、脳みそに刻み込んでおくべきであろう。

とにもかくにも、偏屈おじさんの成育歴には誠に同情を禁じ得ないものがあるのに、金持ちというだけで完膚なきまで脅かされるところがなんとも気の毒だ。

『グリーンブック』

昨日の酒量 生ビール×1、日本酒3.5合程度(満寿泉、益荒男他)、ヱビス和の芳醇350×1

日曜の夜くらいは何とか羽目を外せればと、夕方までに何とか仕事を終わらせて家人ともに飲む。カワハギの肝が旨かったので日本酒がすすんだ。

すでに2週間ほどが経過したが、2019年のアカデミー賞作品賞受賞作を自宅で観た。人種差別の色濃い米国南部のエピソードが主軸となるが、マイノリティの孤独が丁寧に描かれており、しかもきちんと救いがあるのがよい。イタリア系用心棒の大食い親父のシンプルな人生観も楽しい。手放しで褒めることのできる良い映画だ。

 

酒量まとめ書き

忘年会シーズンだというのに、むしろ普段よりも酒量が減っている。

酒を飲む時間が取れていないというのは果たして健全なのだろうか?

 

12日の酒量 ヱビス和の芳醇350×1

13日の酒量 ヱビス350×1

14日の酒量 生ビール×3、ラムソーダ×1、白ワイングラス×1、赤ワイングラス×1/2

15日の酒量 休肝

16日の酒量 ヱビス黒350×1

17日の酒量 ヱビス350×1

18日の酒量 休肝

19日の酒量 琥珀エビス350×1

20日の酒量 ハイボール×1、ヱビス黒小瓶×1

21日の酒量 ヱビス350×1

 

++ 2日

+  6日

-  2日