酒精雑記

飲む日も飲まない日も

「小田原鰹」

昨日の酒量 千代むすび強力60×半合

『五年の梅』収載の3番目の短編。極貧の中を育った男の歪んだ偏狭な世界にも、何かのきっかけがあれば唐突に拡がり始めて静かな豊穣を迎えることもあるという、悲しくも優しいエピソードに、作者の現代小説と同一の流れの中の作品としての「らしさ」を感じることができた。