酒精雑記

飲む日も飲まない日も

盗塁成功率の上昇

昨日の酒量 休肝

今日は三次で大野が中5日での登板となる。雨天中止のスライド登板で不調だった前回から調整が付いていることを祈る。

さて今日の試合が終わると残りは100試合。すでにシーズン1/3弱を消化したことになる。そこで今日の時点で、中日のチーム成績を昨年1年と比較してみた。

投手成績では、K9・K/BB・WHIPの大幅な改善が見られている(K9:6.71→7.68、K/BB:1.79→2.03、WHIP:1.41→1.31)。これは応援実感とも合致する。当たり前だが、三振に切って取る能力が高く、制球の良い投手が登板していれば、ランナーは出さずに済むのだ。特にリーグ唯一の6台と最低だったK9は現在リーグ3位と満足できる位置につけており、守備の時間でも応援していて楽しいチームに進化したと言える。

しかし、である。これらの能力が最も高くなければならないクローザーの鈴木博志の成績は、K9:6.00、K/BB:1.09、WHIP:1.56と、いずれも現チームの平均を大きく割り込んでいる(何と昨年のチーム平均よりもすべてで悪いというおまけ付きだ)。守備応援の楽しさについて、(ただし9回を除く)という留保が付いてしまうのは、この数字からもある種当然と言える。

ヒロシに足りないのは落ちる球だ。キャンプでレジェンド野茂から教えてもらっただけではフォークは身に着かなかったか。ストレートには威力があるのだから、かつての福谷の轍を踏まないよう、ウィニングショットとなる縦変化を何とか身につけて欲しい。

投手成績と比べると、打撃面では残念ながらちょぼちょぼ感の漲る数字が並んでいる。OPSは.705→.696と微減。IsoDも0.60→0.58とほぼ横ばいで、四球を選べない・出塁できないという打線体質に改善の兆しは見えない。今年の打線面での新戦力はいずれも小粒なタイプだということが、数字でも裏付けられているようだ。もっとも今年は他チームも打撃がやや低調なのか、OPSは現在リーグ3位(昨年は5位)で広島より上だったりする。パークファクターも考慮すると、本当はそんなに悪くないのかもしれない(と一応言っておく)。

何とか攻撃面でのポジティブ要素を探すと、盗塁関連の数値が格段に改善している。昨年61個でリーグ最下位タイだった盗塁数はここまで27個。年間で90個を超えるペースである。しかも盗塁成功率は61.6%→75.0%と格段に向上している。盗塁死の多かった大島・京田の両名が、今年は企図する場面を適切に選ぶことができているようだ。盗塁センスが突然格段に向上するとは思えないので、バッテリーの酸いも甘いも存分に噛みしめてきた伊東ヘッドが、相手キャッチャーの能力も評価してサインを出しているということなのだろうか?何が転機だったのかは是非知りたいところだ。

こうした盗塁面の向上は喜ばしいことだが、チーム順位を見る限り、盗塁という戦術はチームの勝利にさして貢献しないという近時の説を裏付ける好例となってしまっている。

現在の編成状況を冷静に見た場合、新しいスラッガーがバンバン出てくることは当面期待しがたい。とすれば、まずは同じ打棒なら四球獲得能力の高い野手を優先起用して、チームOPSの改善を目指して欲しい。その意味でも、渡辺勝の早期昇格は、是非実現してもらいたいものだ。