酒精雑記

飲む日も飲まない日も

『真昼の決闘』

昨日の酒量 サッポロ黒ラベル大瓶×1

終始先手を取られ続けて3連敗で借金9に到達。リードしたのは第2戦の2回表から裏が始まるまでの僅か数分の間に留まった。残り88試合で5割に戻すには49勝39敗(勝率.557)が必要だが、ここまで55試合の勝率は.418。今季のセリーグは3強3弱の境目が明確であることも考え合わせると、今期もAクラス入りは絶望的であることを素直に認める時が来たようだ。

先週末に『真昼の決闘』をAmazonプライムで視聴。予備知識はなく、西部劇の古典を観るのも一興かと思ったが、むしろ従来の予定調和的シナリオに真っ向から戦いを挑んだ一作であった。

画面には執拗に時計の針と無人の線路が映し出され、リアルタイム進行型映画としての緊迫感を醸成している。孤立無援の元保安官の絶望感は、俺1人だけとは知らなかったから!と最後の友人にも去られるシーンでピークを迎える。その後悪党4人を葬り去ったものの、結婚式当日に人を殺した花嫁とともにバッジを捨てて町を去るゲーリー・クーパーの姿に、何一つ西部劇らしいカタルシスはない。

そんな諦念に溢れたストーリーだが、英雄になろうとしなかった町の人々の選択を単純に非難する映画ではない。日々守るべきものがある以上、義のために命を賭すことができないことは仕方のないことだ。仕方がないからといって目をそらさず、捨てられたブリキの星を見たときの苦い気持ちがずっと心に残るなら、それでよいとするしかない。そんな人の世の苦みをリアルに表現したラストシーンがとても良かった。