酒精雑記

飲む日も飲まない日も

『朝の一日』『栗の木』

昨日の酒量 休刊日

昨日は途中までラジオ観戦。阿知羅・三ツ俣の崖っぷちコンビの躍動と藤井・大島のベテラン外野コンビの渋い打棒で、オリックスに先勝。岡田の登板間隔がやや密となってきたところが気になるが、相手先発山本が好投する試合をモノにできたのは大きい。ただ、正直なところもはや1つ1つの試合の勝敗に対するこだわりの気持ちは希釈され、ウィンターリーグかオープン戦を観ているような心境だ。6月もまだ上旬なのにこの悲しさよ。

西村賢太私小説繋がりで発注した佐伯一麦の自選短編集『日和山』の冒頭2編を読了。巻末の年譜によれば、斎木の登場しない冒頭の作が事実上の処女作ということらしい。街が取り澄ました顔を取り戻す前の、新聞配達の時間帯の妖しさを背景として説明される、身を持ち崩した幼なじみへのねじれかかった恋慕の情。『鉄塔家族』を不真面目に読んだ経験しかないものの、草木染め的イメージの強いこの筆者のスタート地点はこんな感じだったのかと興味深く読んだ。ここから寛多になる人もいれば、栗の木の下で妻の帰りを待ちながら自宅で独酌する男となる人もいるという、人の世の不思議をしみじみ思う。

ちなみに、年譜に記された島田雅彦と仲良しという事実も、世代的には当然なのだろうが、なんともミスマッチで興味深い。近時は作家生活30年を振り返った対談をしたこともあるらしい。仙台つながりでの伊坂幸太郎との対談はまあイメージができなくもないのだが、こちらはどんな展開となったのか見当もつかないので、どこかで取り寄せて読んでみようと思う。