『バッド・ジーニアス』
昨日の酒量 プレミアムモルツエール350×1/2、水神半合
試験でズルする映画というと、なつかしのザ・カンニングを思い出す。あの映画でバカロレアという言葉を知った日本人は少なくないだろう。この映画からの連想で、あの手この手のばかばかしい手口でカンニングを試みるコメディだろうと思い込んで標題作を視聴したところ、意外や意外、シリアス&ダークな物語であった。
冒頭から1時間半くらいまでは少々間延びした展開もあったが、タイを旅立ちシドニー編に入ったあたりからグッとスリリングになる。地下鉄まで追ってくる試験官の執拗さも楽しい。リンが正直な心を取り戻した後のバンクの人生は描かれていないが、リンが提案された悪事に協力したとき以上に悲惨きわまりないものとなるはず。良き友人がダークサイドに落ちてしまったのは、結局リンのせいである。
そのため視聴後のカタルシスは全く得られないのだが、この映画が心に残すモヤモヤはそれほど悪いものではない。