酒精雑記

飲む日も飲まない日も

『シングル・セル』

昨日の酒量 ヱビス350×1、某地ビール1/2瓶

ファームが長期遠征中のためか、野手の入れ替えがないままの試合が続いており、神宮の結果についての関心が薄れつつあることは否めない。イレブンの中継も1週間お休みということもあって、録画から星陵奥川の全投球を早送りで見てみたりという日中であった。とてつもなく凄い投手だが、これ以上投げたら今がピークだったということになりかねないので、中日の指名予定云々はさておき、今日は登板させないで欲しいと切に願う。

さて、『錦繍』を読んで連想した増田みず子の『シングル・セル』を読み返したくなり、お盆の実家の書棚を探すとまだ残してあったので『星宿海への道』と並行して再読した。実家の書棚の数冊隣には『錦繍』の単行本が鎮座しており、果たして『錦繍』は今回が再読だったのか初見だったのかというモヤモヤに、思わぬ形でケリがつく結果となった。当時もそれほど印象に残らなかったということなのだろうか?

読了後の感想や印象は曖昧で変容するものではある。情けなくも、ストーリーさえ形を変えてしまうことすら稀でなかったりする。稜子の告白は全体が手紙であったはずと思い込んでいたが、深夜の長き問わず語りとして明かされたものであって、本当と嘘が半分半分のくだりだけが手紙であった。

かかる思い違いはあったが、本書は、最後の数行で人は甘苦い体験を経て孤独から一歩前に踏み出すことができることをさらりと示しているところが、再読してみてとても良いと思えた。これはかつての読後感と一致しているはずだが、長年の酒精のせせらぎに洗われた大脳皮質に質問してみてもまるで自信がなかったりする。