『R.S.ヴィラセニョール』
1月21日の酒量 ヱビス350×1
1月22日の酒量 休肝日
1月23日の酒量 生ビール×3
1月24日の酒量 生ビール×1、白ワイン1.5杯、赤ワイン1.5杯
1月25日の酒量 生ビール×1、日本酒2合
1月26日の酒量 ビール中瓶×1、日本酒1合、赤ワイン×1.5杯
1月27日の酒量 ヱビス350×1
宴会・懇親会が集中した1週間であった。
仕事がたてこんで息が抜けなかったが、昨夜は早々に切り上げて帰宅し、乙川優三郎の標記の長編の読み残し部分を最後まで読み切った。他作同様に千葉は御宿海岸の風土をベースとしつつ、外国にルーツを持つ日本人の生き方という現代的テーマに壮絶なフィリピンの現代史を織り込んだ意欲作。草木染めモノということで佐伯一麦の一連の作品のような枯れた味わいの小説なのかと想像したがさにあらず。中間色に逃げる現代日本人の感性鈍麻への批判が、ユニクロの黒や紺やグレーを制服のように着続ける我が身に何かと刺さり、たまには色の入ったものを着てみようかという気分となった。
本作は、現代日本のホテルのロビーという至極落ち着いた場において、主人公の父とその一族の来歴を叔父が主人公に明かすシーンが圧感である。調べてみると、エンバーミングされて博物館で公開されていたマルコスの遺体は、本作の出版の少し前には英雄墓地に埋葬されたとのこと。かのイメルダ夫人や当時のラモス参謀長らもなお存命と知ると、本作のテーマは未だ歴史ではなく現代そのものなのだということを、あらためて思い知らされた。