『新聞記者』
3/15 白ワイン1.5杯
3/14 クラフトビール×1、赤ワイン×2.5杯、グラッパ×1
シム・ウンギョン出演で気になっていた1本を新幹線移動中に視聴した(相変わらず座席はガラガラだ)。日本アカデミーで最優秀作品賞ということだが、これを企画した蛮勇と主演を務める勇気を欠いた日本女優を尻目にチャレンジしきったシム氏の心意気に対する表彰として意義はあるものの、映画としての出来はあまりに今ひとつだ。これはひとえに脚本家(と制作責任者)が責められるべきであろう。
リアル路線で行くと決めたなら、「お友達」のために人肌脱ぐことそのものが自己目的化している現実の薄っぺらさ(それは常に地域の有力者と政治家にまとわりつづける古典的な物語である)を痛烈に批判すべきであった。信念に基づく国家的陰謀などという重厚な物語など、現実にはどこにも存在しないのに、それがあるかもしれないと思わせるのは誠に罪なことである。もっと下らないことが堂々と横行している現実を切り取ってスクリーンに提示することが、この映画の役割だったはず。
少し前に同じく政治モノである『帰ってきたヒットラー』を観たばかりで、ドイツでこれを制作するにはさぞ勇気を要したであろうと思わせる怪作であったが、風刺的ファンタジーを装いながら、コメディ映画を軽々と超越する昨今の現実への問題意識を喚起することに成功していた。それを思うと、やはり本作のストーリーの弱さは否めないだろう。