酒精雑記

飲む日も飲まない日も

用兵の柔軟さ2

大量安打も得点につながらず2-3での連敗となった。9回ヤマヤス攻略寸前という見せ場はあったものの、「負けに不思議の負けなし」の格言の当てはまる敗戦である。

ゲッツー狙いのところで守備がもたついての失点は痛かったが、山本は3年目の初ローテ投手としては及第点の投球と言えよう。多くの課題を持ち帰った彼の学習能力に期待したい。

用兵について5戦目にして与田監督が動いたが、平田をいきなりスタメンから外してしまったのはいただけなかった。不調ではあるが主軸選手でもある。このDeNA3連戦では、まず打順を下げて調整のチャンスを与え、それでも復調の兆しがなければ次のカードから先発落ちとするという手順が必要ではなかったか。遠藤の抜擢は悪くないのだが、2番強打者路線を維持するのか、放棄したのかがはっきりしない起用となってしまった。ラインナップをいじるなら、好調大島と周平を近づけるというのが王道で、今季のチーム戦術との整合性を考えても、大島・アルモンテ・周平・ビシエドとし、後が多少薄くなるのはやむを得ないが、それこそ平田の奮起に期待するというのが筋ではなかったか。

2番遠藤が機能しなかった昨日の結果をみて、今日てのひらを返して先発落ちとするのも腰の据わらない話であり、かといって同じ起用にこだわれば采配の難を更に問われることとなってしまう。遠藤起用で打順の入れ替えをするのが落としどころではあるが、やはり場当たり的にあたふたしている印象が出てしまう。こうした隘路に入らないためにも、手順を踏んで丁寧に用兵を修正することが大切なのだ。

もう1点。主戦捕手に加藤を起用した意図はどこにあったのだろう。木下でダメという問題が露呈するまでは使い続ければ良いように思うし、打力に難があるのだから、先発起用したならしたで、試合後半6回のチャンスでは代打という選択はなかったか。山本にあと1イニング投げさせるには、途中でキャッチャーをいじりたくないから何とか加藤の一打で同点になればよいのに、という願望はわからなくもないが、残念ながら物事には先後関係というものがある。

人心の機微に沿った心憎い采配を、あらためて希望したいところであるが、与田監督自身、まだ2年目である。多いに学んでシーズン中に飛躍を遂げて欲しい。