酒精雑記

飲む日も飲まない日も

深謀の下での辛抱

終盤に打線が粘りを見せたものの、「所詮打たれても単打」と割り切って、初球からストライクゾーンにポンポンと放り込んでくる大瀬良の人を喰ったような投球の前に、完投を許してしまった。

開幕投手大野雄もそれなりに重症ではあるが、あの低い弾道でナゴドのスタンドに放り込んでしまう鈴木誠也を抑えることができる投手がリーグに何人いるのかという目で見ると、まるっきり悲観することもないようにも思う。

打線もOPS10傑に周平と阿部が入っており、15位まで見ると大島と京田の合計4名が名を連ねている。適時の長打を欠いているとは言え、好調を維持する主力日本人野手の火力を束ねれば他のチームにさして劣るものではないはずだ。とりわけセンターラインは捕手以外順調な滑り出しなのだから、前夜の打線(大島・アルモンテ・周平・ビシエド・阿部・京田)をいじる必要はなかった。木曜の沈黙はひとえにDeNA坂本が初物にして絶好調であったためであり、一律の沈黙と繋がりの悪さとは別の問題也という冷静な分析が必要だ。そこをとりちがえたのか、昨夜はまたも打線をいじって武田を2番に入れてしまった。打力の2番という方針がわずか1日でブレており、首脳陣が深謀を欠いたまま浮き足立ちつつあるとしか思えず、非常に残念だ。

捕手の起用にも注目していたが、加藤は大野雄専用という位置づけであれば、まあそれは許すそう。足をからめる広島対策という意義はあるし、昨夜はチーム唯一の打点となった内野ゴロを放った。最低限の役割を果たしたのは立派だが、中日の課題は主戦捕手の育成であり、残念ながら加藤はその立ち位置ではない。郡司独り立ちまでの間、木下が屋台骨を支える(そして加藤は大野雄専用)という位置づけを早く明確化した方がよい。

さて、今日は吉見である。5連敗を止める役どころを託す先が吉見である。嗚呼。吉見が悪いわけではなく、首脳陣がDeNAとの相性を優先して山本拓を開幕カードで起用しなかったツケが、早くもこんなところで回ってきてしまった。吉見としても背水の覚悟であろうし、内外を使い分けて鈴木誠也を老獪に封じる姿を是非見たいところだが、現実を見据えれば、ロングリリーフ役を誰が担うのか、危機管理として考えておく必要がある。祖父江・又吉・ゴンサレスは昨日使ってしまった。となると筆頭候補は鈴木博志である。うむ。今日も試練の日々が続くことは覚悟せねばなるまい。

ファンの心得として、神風が吹くよう祈りつつ、撃沈するまでは、きちんと見届けようと思う。