酒精雑記

飲む日も飲まない日も

『彰義隊』

ヤクルト3連戦は当然の勝ちに続く不思議の勝ちがあった後、隅イチなれど雨天コールド勝ち寸前まで行った3戦目を完敗で落とし、苦目のカード勝ち越しとなった。中断後の投手乱調以前に、打線があれほど沈黙していれば必然の負けであろう。

今日は菅野と大野という絶好調の実力者同士の先発となった。これで案外打撃戦になったりするのが野球の面白いところである。ナゴドに戻ってもファイヤーフォーメーションは維持する方針であるのは良いことだ。このところずっと冴えなかった岡田がついに藤嶋と交代。中継ぎの厚みが増したのも楽しみな要素の1つである。

さて、少し前に吉村昭の表題作を読み終えた。氏の最後の歴史小説にあたる本作は、いわれて見れば新聞連載中にタイトルを目にしたような気もしてくるが、内容に関する記憶は全くの初見状態。彰義隊の立てこもった寛永寺のやんごとなき主の数奇な流転を書ききった本作だが、賊軍の神輿に乗った汚名をすすぐために、陸軍で奮戦する中でマラリアにより遠征先であっけなく死亡するという運のなさが何ともあわれである。真摯な人であったようだが、皇族という血を買われてリーダーにかつがれた以上は、選択を誤れば多くの取り巻きが死体と化すことはわかりきっている。陸奥の地の彼には果たしてその覚悟があったのだろうかという疑問が残った。