酒精雑記

飲む日も飲まない日も

不動の野手陣に展望はあるのか?

8月6日に借金9に達した後、8月23日までに一旦完済間際までの回復力を見せたものの、そこからの壁は厚く、打線が湿れば下降線を辿り、9月17日には借金7。紆余曲折はあったものの、そこから1ヶ月を要することなく、ついに昨日で借金完済となった。

大野・福谷という左右の2本柱が立ったことと、7回以降は大福丸ならぬ福輔丸という並びが確立したことが、望外の原点回帰の原動力となった。しかし、裏を返すと打線が牽引した形となっていないため、残り試合で爆発的にジャンプする気配までは感じられないのも正直なところだ。

残り20数試合を残して、今季の周平と大島は及第点の活躍ではあるが、他のチームの大黒柱のバッターと比べると、やはり華奢な印象は否めない。

ビシエドは不思議に打点こそ積み上げているものの、不振の期間も長かったし、シーズン当初のHR量産の気配はどこかへ霧散してしまった。

実質2シーズン目の阿部は目下チーム日本人HR王&打点王で、守備も相当に手堅いのだが、やはり不振の期間にはレギュラーから外れることもあった。10本のHRを打っているのにOPSが.7台に届かないというのも、なんだかおかしな話だ。まだまだチームの牽引車というところまでの働きとは言いがたい(昨年だけのフロックじゃなかったことは一応証明できているので、ギリギリ及第点か)。

正捕手の座を固めたキノタクはこのところ天晴れの打棒を披露しており、先日の清水初勝利に導いたリードでも、フレーミングの巧さが光った。ようやく頭角を現した彼が、野手陣では今季最大の収穫だが、シーズン当初はどんぐりの背比べが続いたので、来季には期待するが、今季全体で見た場合には、まだまだというところか。

平田・福田は戦線離脱、ファームで無双の渡辺勝も1軍では一瞬のチャンスを掴みきれず2軍落ち(先発機会が1試合だけというのはさすがに気の毒だった)、守備では魅せる京田も出塁率は3割に届いていない。遠藤・井領・溝脇も、時折脇でいい味を出しているが、レギュラー奪取を予感させるような勢いはない。

そして期待の石垣は、何と10月4日以降、まるで出番なしの地蔵役に甘んじ続けている。首脳陣が彼を単なる試合成立要員としてしか見ていないのであれば、何とも不可解である。

望外の完済がゆえに、シーズン終了までに貯金を残すというミッションが与えられてしまった今、巨人の優勝が確定した後も、このところの不動の面子で勝ちを拾いにいくの日々が続くのだろうか。

確かにファンとしてもさすがにもうBクラスはいやだし、貯金を残して来季への展望を明るいモノにしてほしいという気持ちはある。しかしCSなきシーズンにおいて、残り試合での貴重な若手育成の機会を生かさずして、今後の躍進がありうるのだろうかという疑問も尽きない。アルモンテ・シエラは頼もしいのだが、外人3人に頼る先発ラインナップをみると、なんだか寂しい気持ちもするのであった。

とにもかくにも今季は御祓優先と割り切るしかないのだろうかなあ・・・。