酒精雑記

飲む日も飲まない日も

棚ぼたを拾う力

勝野が前回とは生まれ変わったような投球をみせることはなく、投手にも四球を出すようなグズグズの展開であったが、何とか5回をゼロで凌ぎ、何とチーム先発初白星を挙げた。

最初の根尾の打席でのファンタジアな2得点は、とにもかくにも低めを空振りせずになんとか当てたところがカギであったが、3塁宮崎の悪送球もさることながら、2塁牧のバックアップが遅れたようにも見えた。こんな隙だらけの相手から望外の2点を拾っても勝野に変化はなかったのは残念。

この試合中日唯一のタイムリーも、打撃開眼とは感じさせない根尾のコースヒットであった。ただゴロ安打であったからこそ、2塁ランナー木下雄の鈍足を補って余るほどの時間が生まれたのもまた事実。丁度ここで勝野がお役御免(代打滝野君、バント練習しとけよな)という区切りの良さが、その後の藤嶋から始まる継投のテンポの良さを生み出した。

まさに運は竜にあり、の1日であった。

新人解説者吉見一起も語るように、リリーフ陣は12球団随一である。すでに何度か棚ぼたを拾えているのも、後ろが盤石であるからこそであり、これはこれでチーム力と言えるのであろう。こうして不思議の勝ちを拾いつつ5割ラインにしがみついている間に、打線の復調(あるいは再整備)を待つことができるとよいのだが、さて。

昨日は水曜にして勝ちパ5人衆を投入した分、今日の松葉の後が心配だ。幸い金曜は休養日。今日も先発が粘った後の大量動員作戦で、借金ゼロ生活を目指したい。松葉を上手に使うという意味でも、3巡目で引っ張りすぎないよう、ベンチからは見切り千両な采配を見せて欲しいところだ。

ところで、生き残りのかかった根尾がこのところ見せているしぶとさは、世間から期待されている役割とは違うものの、これはこれで1つの個性であろうか。右へ引っ張った打球が全く見られていないところに大きな課題が感じられるが、何とか先発出場を続けられていれば、課題克服の経験を得ることはできる。天運が味方してくれている間に、何とか一皮剥けてほしい。