酒精雑記

飲む日も飲まない日も

2022シーズン総括

昨日のヤクルト戦は福が代打川端にタイムリーを打たれた時点でラジオ観戦を終了した。その裏にまさかの同点劇があって結果は引き分けとなったが、これで2022年の中日の戦績は負け越しとなることが確定した。

未だCS出場可能性は残るものの、勝率5割切りのチームが日本一を目指すことができるこの制度は欠陥が大きすぎる。借金を残したチームは出場できないという仕組みにして、壮行試合に切り替えるべきというのが私の持論であり、それゆえ今シーズンの中日は昨日で終戦ということになる。

今季の最大の収穫は、高橋宏斗の躍進と岡林・土田の台頭の2点。これほど目に見える成果を残したシーズンは久方振りではないか。

他方で絶対的課題である打力の点では、零封負け記録を更新中であり、改善どころか完全に底を割った感がある。もとより編成の歪みで生じたこの問題、短期的にどうなるというものではないのだが、石川昂・鵜飼がシーズン前半で輝きを見せたものの、両名とも怪我でファームに落ちると、全く回復力が見られない層の薄さが露呈した。バンドの極端なパークファクターの偏差を改善することが急務であるのに、立浪監督が熱望を表明した翌日にテラス設置を即座に否定するフロントにはあきれるしかないが、せめてナゴ球の延長フェンスだけでも取っ払うことをどうして決断できないものか。

さて、来期の展望である。ドラフトでは1位と2位で大砲候補(できれば左)と先発右腕を指名することが必要であるが、所詮は水物。現有戦力をどう使うかを考えると、大島問題をどうするかに行き着く。

今季の大島は打率3割超、OPSも.7超と中堅以上の選手の中では唯一といってよい成績をたたき出してはいる。しかしながら打点はこれまで僅か18。守備走塁面を加えれば、同タイプの岡林が上位互換選手となることが十分に期待できる。そうであるのに来季も大島をセンター・打順上位で処遇しつづけるのかどうか、ここが決断のしどころである。

これまで報じられてきた岡林をセカンドにコンバートする構想は、大島・岡林を同時併用しつつ外野でOPSの高い選手を起用する枠を1つ増やすという狙いによるものだが、岡林の高い外野守備力をみすみす放棄する上に、二塁手として十分な守備力と打力を兼ね備える阿部の居所をなくすので、まさに二重の悪手である。

来季のセンターラインを、石橋(木下)・阿部(石垣)・土田(溝脇)・岡林(大島)という形で整理し、サード石川昂(石垣)、ファーストビシエド(アリマル)、そして両翼はアリマル・鵜飼・レビーラ・福元・大島・木下・郡司の中から調子の上がっている2名を随時使っていくのが、現有戦力の有効活用策だと思う(括弧内が怪我・不調のときの控え1番手)。

打順の組み方も、およそHRを期待しがたい岡林・大島の2名を上位で起用するのではなく、もし併用するとしても岡林を1番、大島は7番あたりに置くべきであろう(土田は8番曲者枠固定がベストだ)。

主戦捕手を誰にするかも悩ましいところだが、リードの着想に難があることの否めない木下が来季突如として謀略策略の人になることは期待できないだろう。もっとも木下の打棒は貴重な戦力であり、木下をレフトで起用できる選択肢を増やす方が、岡林内野コンバートよりもよほど有益だと思う。

以上を踏まえた、来季のベストの打順のイメージは次のとおり。

岡林(8)・アリマル(7)・石川昂(5)・ビシエド(3)・阿部(4)・鵜飼(9)・石橋(2)・土田(6)

ビシエドの調子が上がらないときは、

岡林(8)・鵜飼(9)・石川昂(5)・アリマル(1)・阿部(4)・木下(7)・石橋(2)・土田(6)

というくらいの大胆な組み替えもできるようにしてほしい。

石川昂弥の復帰が来季半ばくらいになるようなら、

岡林(8)・鵜飼(9)・アリマル(7)・ビシエド(3)・阿部(4)・石橋(2)・石垣(5)・土田(6)

というような打線を見てみたい。この場合は石垣がもう一皮剥けることが絶対条件となる。外スラをスイングする悪弊は改善できなくてもよいので、狙った甘い球のミスショットを半分に減らすことができれば、随分と戦力として計算できるようになるはずである。

(なお、火力を重視するとどう組んでも右打者が続いてしまうところが本当に悩ましい。編成部はもう少し頭を使うべきだろう)

何年もほぼ孤軍貢献を続けて来た大島・ビシエドには酷かもしれないが、下り坂に入ったと言わざるを得ない彼らを不動のレギュラーとしていた間のチームの低迷ぶりを思うと、大鉈を振るうべき時期がもう来ているのではないだろうか。