酒精雑記

飲む日も飲まない日も

さて来年

今年の後半は猛烈に仕事がタイトで、しかも中日の成績(とその背景もろもろ)でなんだか心が折られた感じとなり、その都度の戦況やドラフト戦略などについて書きたくなることもなくはなかったが(というか大いにあったのだが)、何も書き残さないまま年の瀬を迎えてしまった。

すべては終わったことであるが、史上初の2年連続最下位はさすがにこたえた。責任者は責任をとるために存在するのであるから、やはり本来は監督が退任すべきであったように思うが、2軍監督などに後任含みの人材を据えるという危機管理もできていない球団であるからゆえに、井上一樹を呼び戻した上で旧体制にあと1年与えるという選択しかなかったとも言える。再来年を見据えた手を打ったことは一応評価したいが、これだけ人が入れ替わったチームである。実りの年が1年で来ると考えるのは楽観的にすぎるであろう。このタイミングで来年に絶対的な成果を出さねばならない首脳陣が指揮をとることとなるが、さて、2年後3年後の本来の収穫期を貧しいものとしないようにバランスを取ることができるだろうか。曲がりなりにも野手の手駒の整理と補充に区切りが付いた一方で、投手陣の複数の柱のFA取得時期が迫っている今、性急に結果を求めたくなるのはやむを得ないところではあるが、成果を出しつつも辛抱するところで辛抱できるかどうか、采配を取る側の「才」が今年以上に問われることになるであろう。

久方振りのCSへの進出。現実的な目標をここに定めながら、前半戦をどうにかして五分マイナスα程度で収めることができるか。そのためには、遅くとも開幕スタート時には先発野手の守備位置と打順、そしてそれぞれの控えの立場を誰が担うのかを、一定の序列の中で固めることが重要である。今カギと感じているのは、中田とビシエドの序列が固まること(2人とも機能しないときは目も当てられないことになりそうだ)、そしてHRの打てる遊撃としてカリステが機能することの2点。ここが固まれば、あとは何とでもなるはず。

来年こそ良い年になることを祈る。

6月のふりかえり

6月はいよいよ外呑みが平常運転化したが、それでも休肝日は12日あった。バランスの良い感じでまずまず節制できたのではないか。

読書は3冊。

吉村昭の「島抜け」は、幕末に種子島送りとなった講談師の数奇な脱走劇を描いた中編。キジも鳴かずば打たれまいが、講談師が生きていくには話芸を生業にするしかなかったか。安定の良作であった。

「海の仙人」は絲山秋子のオフビートな短編。ファンタジーが出てくるがそれほどファンタジーではなく、たぶんファンタジー抜きでもストーリーは成り立つのだが、やっぱりファンタジーがいてナンボの小説という、なんだかよくわからない感想が残ったが、何とか映画化してもらえないだろうかと感じるくらい好感を持てた一作でもある。かの若手女性2名が同時受賞したときの芥川賞候補作ということで、当時の選評を読んでみたが、山田詠美による酷評がなかなかに痛いところではある。確かに、宝くじ当選によるファイナンスフリーダム、男児性虐待、若年がん闘病、男女の恋愛込みの友情に加えてファンタジーの登場となると、短編にしてはちょっと要素を盛り込みすぎた感は否めないが、それでもやっぱりこころに引っかかる小説である。

別に一周忌という帯に誘われたわけではないが、西村賢太の「小銭をかぞえる」も読んだ。いわゆる秋恵ものの短編が2本収録された文庫である。わかっちゃいるけど、とにもかくにも「ぼく」のクズっぷりが清々しい。茨城の特定郵便局まで無心に出向くあたりの身勝手な内心の語り口などは、ほとんど古典落語の域に入っているが、これが私小説であり現におおむねこんなことが起きているかと思うと、読みながらニヤニヤしてしまった。カップリングされた短編でも、女が大事にするぬいぐるみを破壊するだけでは飽き足らず、マヨネーズだったかをふりかけて確実にダメにする無用な冷静さが馬鹿馬鹿しすぎる。これだけやらかしても憎めないと周りが思ってつい甘やかしてしまったから、早世してしまったのかなあ。何はともあれ合掌。

映画も3本。

「ケイコ、目を澄まして」は豪雨で新幹線に閉じ込められた際に観たので、途中下車の宿探しやつかのまの小止みを突いての移動などで何度も中断されてしまったのだが、過剰な説明を排して観客を信用した編集となっているところに好感が持てた。気持ちがよれたケイコが戻ってくるきっかけのところだけがちょっと弱い感じがしたところだけが残念だったが、ボクシングが痛いということをきちんと表現した岸井ゆきのの熱演が光る佳作であった。

「レッドファミリー」は北朝鮮からのスパイが韓国で家族のふりをするというなかなか魅力的な設定の映画だったが、やはりコメディに振り切れない題材であるだけに、生煮えな印象は否めなかった。大きなウソをつくための細部の詰めがいささか甘かったか。

「怪物」は劇場で観た。前評判でハードルを上げすぎたせいもあるが、うーんどうなんだかなという感想を持ってしまった。エンドロールでプロデューサーの名を観て、ああ自分とは相性が悪いからそりゃそうだと妙に納得するに到る。凝ったシナリオには一定の評価があるだろうなとは思うものの、この人の作ならやっぱり軽快な会話の妙を楽しみたいところであり、この監督の作風とは食い合わせが悪かったんじゃないかしらんと思う。そして、ものの見方は立場次第、というテーマは、これまでに語り尽くされており、やや意図的なミスリードを誘ったスジが目立ってしまうと数々のアハ体験はEH田ものの「で?」という以上の感想を持てないのであった。出てくる役者は皆素晴らしいが、学校パートは作られた怪物感が前面に出てしまっていて残念。お役所的組織に潜む本当の怪物はもう少し凡庸で怪物には見えないからこそ恐ろしいのである。もう1点、これも好みだが、小学生男子2名にかぶせた性的な要素については、映像上ではもう少し暗示的なところまでに留めてほしかったような。

さて、中日ドラゴンズ交流戦は今年も新庄日ハムに煮え湯を飲まされて負け越しとなったが、セリーグ対戦再開後の3カードは、粗もまだまだ目立つものの、用兵もそれなりに落ち着いてきたことが奏功したか、なんとか4勝4敗1分けの五分で乗り切った。阪神DeNAと苦手の甲子園とハマスタで対戦してこの成績は、まずまずと言えよう。昨日も、細川が冷めてきたものの、石川昂弥の復調がいよいよ本物と思わせる同点ツーランを観ることができるなど、負けた試合の中にも十分な希望を感じることができる結果であった。少し連投が過ぎるようにも思うが、いよいよ支配下となった松山が豪快な投球を重ねていることが本当に頼もしい。木下受傷の間隙を突いて昇格した石橋も初ホームランを含む豪打爆発で、1つ1つ自信を付けているという段階にある。

ファームでは、根尾もまだまだ修行が必要ではあるものの、先発で結果を残しはじめており、キャンプのころの変調から比べると随分と形になってきたようだ。梅津とともに後半戦で戦力となるようなら、シン・ドラゴンズの形がいよいよ見えてくるのではないか。

 

 

4月・5月のふりかえり

5月末となり、台風襲来の影響か、今週は梅雨のような雨模様が続くようだ。金曜午後からキャンプ場にでも行くかと考えていたが、なかなか微妙な天候になりそうだ。

 

4月の休肝日は11日、5月はここまで8日と、何とか節制はしているものの、外飲みの回数はほぼ平常運転となってきたので、飲む機会を大事にするという意味でもメリハリはつけていきたい。

 

この2ヶ月での読書状況は以下のとおり。

「すべて真夜中の恋人たち」は、校正担当の奥手女子のささやかな冒険とその苦い顛末が書かれた川上未映子の一作。アル中描写の沼の深さが恐ろしい・・・。

「蛇行する月」は釧路湿原の高校を卒業した女子グループのその後を描いた桜木紫乃の連作小説。みんな業をしょって生きていくしかないんだよなあということを、ほんの少し前向きに捉えることができるように感じられる良作である。

「奇蹟のフォント」は、パソコンフォントの黎明期から現在に到る歴史をふりかえりながら、誰でも読めるフォントを世に出した過程を当事者が紹介したノンフィクション。筆者の成長譚ではなく、できる人って最初から凄い熱量を持って登場するのだという、ある種冷徹な感想がもたらされる一作(そのことを多分筆者は全く自覚していないところがさらに凄いのだ)。

「へぼ侍」は西南戦争に官軍として参加した士族末裔の若者の行動を記した坂上泉の松本清張賞受賞作。着想はとても面白いのだが、やっぱり戦争は公認殺人であり、痛快な気持ちで読むことはできなかった。この手の小説の読後感へのウクライナ戦争の影響は、やはりとてつもなく大きいのだった。

「できない相談」は森絵都超短編集だが、3月に読んだ「気分上々」の方がおもしろかったかも。

 

映画は結構観た。

東京物語」はショットの1つ1つが考え抜かれている(特に遠景が凄くよい)のだけれども、笠智衆が小津演出を回顧した発言(自分だけはものすごく細かい注文を受けたというような内容だったはず)を読むと、ほのぼのしみじみなだけでは済ませられないもやもや感がどうしても残ってしまう。当時の日本の風俗をふりかえることができるのは貴重だが、映画として本当に面白かったかというと、うーん、どうだろう。

「Still Dark」は下北沢で視覚障害の若者がナポリタンの店に弟子入りするという1時間程度の短編。アマプラなかりせば目にすることのない映画だったが、これは面白かった。登場人物は少数だが、キャラクターが皆大人で魅力的だ。高橋雄祐監督作の映画をもっと観てみたいと思う。

椿三十郎」を「用心棒」を見たことがないまま先に見てしまったのは失敗だったか。三船の愛嬌溢れる男っぽさが良いが、話の筋としては若干粗が目立つかも。

さらば冬のかもめ」はベトナム戦争のさなかで製作された海軍下士官らの心のすさみを描いた一作。ボストンコモンでの厳冬BBQのあたりがオフビートな感じでよかった。米国内の日蓮正宗の隆盛?も知ることができるという意味では珍品とも言えるか。

羊たちの沈黙」も見た。生きたまま脳味噌を味わうのは次作であったことを知るというくらい、きちんと通しで観たことのない映画であった。南の島に降り立つエンドロールはきっちり覚えていたのに。

「予定は未定」「オーバーナイトウォーク」もアマプラなかりせば見なかったであろう佳作短編。姉妹編なのかな。主演屋敷紘子と監督磯部鉄平の名を覚えておこうと思う。

「最強殺し屋伝説国岡」はモキュメンタリーであることを途中でやめてしまうという、荒っぽいけど終始何とも言えないおかしみが続く一作。アクションがとても良いが、最終決戦はもう少しあっさり一発でケリをつけた方が凄みがあってよかったかも。

「ビッグウエンズデー」は何ということもない青春ものかと思って観たら、案外にもほろにがくて深かった。とにもかくにもサーフィンシーンをドローンなしでよくぞ撮影したなと感服。

 

さて交流戦前までの中日の戦績は17勝29敗借金12でセ最下位であったが、ズッ友ヤクルトが豪快な沈みっぷりで0.5ゲーム差まで落ちてきたので、最下位一人旅は免れそうだ。

交流戦初戦の本日は、ブライト&鵜飼の同時出場(と大島の休養)で、ついにシン・ドラゴンズが姿を現した記念すべき日であった。開幕からここに到るまでの戦力篩い分けのための試行錯誤期間がいささか長すぎたが、たどり着いた先が「黒い三連星」ではなく、ビシエドと木下以外はオール若手で、しかも岡林以外はパンチのある打撃を期待できるメンバーということであるから、もうこれまでのあれやこれやは許してしまおうと思う。

今日の試合結果は投手陣が大荒れで(橋本はいつかやらかすのではと心配していたが、やっぱりやらかしてしまった)大差の敗戦となったが、ブライトのプロ初打点&初猛打賞、そしてバースデー鵜飼にも今季初HRが飛び出したのは、負けの中の大きな収穫であった。2人とも多分これから気持ちよくバットを振っていけるはず。指揮官には相手投手がどうであれ、メンバーをいじり倒さずに、是非このまま辛抱してもらいたい。

 

シン・ドラゴンズまであと少し

カード途中にファーム遠征先から鵜飼を呼び戻した本日のスタメンラインナップには痺れた。

岡林・福永・細川・石川昂・アルモンテ・鵜飼・木下・村松・涌井

うん、いい感じだ。

これを見て

「始まったな」「ああ全てはここからだ」

・・・というセリフが頭に浮かんだファンも多いだろう。

あとはアルモンテのところにブラ健が入ったらシン・ドラゴンズの完成である。

この打線が今日の試合で機能するとは限らないが(心に予防線を張っておく)、しばらくはこんな感じで辛抱してもらいたい。

12回サヨナラ負けに関する考察

ズムスタでは8回表までの2点リードを守り切れず、4時間超えの12回裏に申告敬遠後の押し出しという後を引きそうなサヨナラ負けを喰らった。いろんなところでこの試合におけるベンチワークについて批判が飛びかっている。

田島がふがいなかったと言えばそれまでだが、清水の離脱で前日より8回担当に昇格させた以上は、2点差でもあり、(何とかなるはずと祈りながら)田島に投げさせるのは、まあセオリーどおりである。回途中から救援した勝野の出来も、あのシチュエーションなら逆転されなくて御の字と見るべきであろう。

9回の2-2からのスクイズ指示は首をかしげざるを得ないところはあるが、キャッチャーが読み切ってウエストを指示たわけでもなく、バントの構えを見てとっさに上にはずした栗林のセンスに軍配が上がったということだろう。

先攻の中日が10回にライデルをつかったところは、普通なら砂田で行くのだろうが、8回時点の流れでいくと、9回の登板を想定してライデルが肩を作りきっていたはずで、これが11回なのか12回なのかという不確定な状態でブルペン待機させつづけるくらいなら10回で使ってしまうというのも、おそらく投手コーチ陣の状況判断としてやむを得なかったのではないか。

12回の申告敬遠については、わざわざ3塁まで進めるか?という批判もあるが、西川に臭いボール球で逃げながら凡打を期待するという中途半端な作戦で打たれるくらいなら、最後に1人しか残っていなかった野手との勝負にかけるというのも、まあわからなくもない。ただし、その選択がズムスタに異様な空気をもたらすところまで読んだ上で砂田に任せたものだったのかは知りたいところである。

結局のところ雰囲気の異様さに負けてストライクゾーンへのコントロールがままならなくなったのは砂田の実力であり、首脳陣がその能力を把握できていなかったことの方が悪いと思うが、問題は砂田を続投させざるをえなかったという点にある。

残る投手はお世辞にも制球が良いとは言えない橋本であり、相対的に砂田続投の選択は誤りではないとも思う。しかし山本を下げ、さらには清水が抜けという状況下で、いかに2軍投手陣が炎上続きとはいえ、投手を無理にでも追加昇格させておくべきだったのではないか。

・・・ということで、ベンチ入り人数が広島より2人も少ないまま(その結果投手が広島より2人少ないまま)プレイボールを迎えたところが昨日の敗因であり、こうした総力戦がありうることに対する首脳陣側の備えが欠けていたということだ。

中日の場合、遠征途中で名古屋に帰らせる短気な人事がときおり見受けられる一方で、カードの途中で遠征先に援軍を送り込んだという例は、このところほとんど見られないように思う(印象だけかな?)。ジャリエル不在時の清水離脱という緊急事態を甘く見て準備を怠ったツケが昨日の12回裏に凝縮されていたことを、首脳陣は真摯に反省すべきである。

(交通費をけちったとか、切符手配のロジができないとか、そんなつまらん原因ではないことを信じたいところだ)

DropboxとUSBメモリの相性

仕事のデータのバックアップに長らく外付けHDDとか外付けSSDとかを使ってきたが、何せ時間がかかるし、定期にコピーしなきゃとおもって早○ヶ月的なズルズルがよく起きてしまうので、いろいろ躊躇はあったものの、まるごとDropboxにデータを置くことにしてみた。

出先ででかいデータを取り込んだりするときにパケ大食いになることさえ気をつけていれば、データが常時ローカルとクラウドで保存されているという感覚はなかなか快適である。

・・・と思っていたら、思わぬところで躓きがあった。PCでUSBメモリにPDFデータをコピーしようとすると「メモリ不足のため、この処理を完了できません」と出てコピーができないという現象が起きるように。

いやいやメモリは十分余裕あるでしょ、たかが100MBくらいのデータのコピーでそんなことあるかいなとは思ったものの、念のため再起動をかけてみた。しかしまた同じことがおきるという堂々巡り。

同じ現象に直面した人はあんまりいないようで、ウェブ上でもすぐに解決策は見つからなかったが、いろいろ探して次の記事(2018年に書かれたもの)に行き当たった。

ninjanylon.daynight.jpおお同じ現象じゃんということで、USBメモリNTFSでフォーマットしたらコピーできるようになった。PDFファイルとDropboxの相性云々かんぬんの問題だったようで。

USBメモリの渡し先がWindowsじゃなかったら読み出しが出来ないのだろうけど、まあ仕事の関係先なら何とかなるでしょということで、一応これで解決ということにした。

備忘のためと感謝の意を示すためにここにメモしておきます。ありがとう、光沢ナイロンさん。

 

 

対戦一巡

中日は今日でセ5球団との対戦が一巡し、残念ながら借金4。今日の巨人の結果次第ではあるが現状最下位である。幸い上位が潰し合いで抜け出したチームはないので、しばし我慢で5割の線までなんとか戻していくしかなかろう。

石川昂弥の復帰で随分と空気が変わったことは確かで、やはり4番が固まると選手起用の方針にもまとまりが感じられる。本来オープン戦で見極めるべきところではあるのでその分出遅れてはいるが、迷走を極めていた駒の使い方は徐々に落ち着いてきた感はある。とにもかくにもこの阪神3連戦を勝ち越せたのは何よりであった。

投手陣はまさかの大野が戦列離脱となり、分厚そうに見えた先発陣のやりくりがけっこうギリギリのところとなっている。何とかヒロシ・福谷が機能している間に、松葉の復調・仲地の昇格・梅津の復活・上田近藤福島森山あたりの台頭を待ちたいところだ。昨年末ころは、こうした状況が来たら根尾が颯爽とローテに入ってくることを想像していたが、乱調から抜け出せないのか、今や五体満足な投手陣では最後尾中の最後尾、ファームでの登板すら見られなくなってしまった。イップスでも起こしたかと思われる重症ぶりのようで、いろいろと心配だ。

救援陣では、ライマルは盤石、清水もまずまずでここは計算どおり。自作自演気味ではあるが田島の復調は明るい材料だ(相変わらず胃に悪いけど)。このままジャリエル亡命騒動の穴を埋める活躍を続けてほしい。

打線はアキーノ・アルモンテ・カリステの打棒爆発は当面期待できそうになく、ビシエドも短気立浪による2軍落ちと、助っ人の沈滞ぶりが顕著である。幸いにも細川が主軸にはまりつつあり、壊滅状態だった二遊間に福永がしがみつき続けられている間に、ファームで絶好調の鵜飼をはめ込めないだろうか。

・・・ということで、当面は、

岡林・大島・鵜飼・石川・細川orビシエド・福永・木下・龍空or溝脇

がベストメンバーではなかろうか。

週明けのマツダでは、こんな感じの打線が火を噴いて涌井に待望の白星がプレゼントされるところを是非見てみたい。

 

3月のふりかえり

あっと気付けば4月に入っており、桜も散り芝も緑を増しケヤキは茂りゆくという恐ろしいほどのタイムスピードで今年も1/4が終わってしまった。おおぅ・・。

1月頭にひろったコロナの影響は、結局つい先日まで何とも喉がいがらっぽくて咳もでるという症状が続き、咳ばらいをおおむねせずにすむようになるまで2ヶ月半超を要する結果となった。普段は風邪を引いてもせいぜい1ヶ月我慢すればまず元通りになっていたので、このしつこさには閉口した。

3月の休肝日は9日。マスク解除令と相前後して外飲み回数は急増し、実に7回に達した。馴染みのお店のみなさんも、この3年での飲んべのみなさんの行動習慣変容を嘆きつつも、ようやく客足が戻ってきたことを実感されている様子で、その笑顔を見に行くのが楽しい日々が続いた。まあいいことだ。

読書は4冊。

「気分上々」は森絵都による短編集。「風に舞い上がるビニールシート」などから何となく生真面目な作家さんという勝手なイメージを作り上げていたが、すこっと裏切られた1冊となった。よくもまあこんな設定を次々に思いつくものだと感嘆するのだが、設定の妙に終わらずぐっと深いところまであっというまに気持ちを持ってかれてしまうところが何とも凄い短編集である。特に気に入ったのは「17レボリューション」と「ヨハネスブルグのマフィア」の2作。これが同じ作者なんだからなあ。

「破船」は記録文学の大家である吉村昭の作にしては場所や時代が(あえて)あいまいとされた小説であるが、寒貧たる漁村共同体に連綿と続く神々しくもおぞまししい習俗とその顛末が描かれていて、これまた凄いと感じた。難破船の到来を単に神に祈り続けるのではなく、必然として誘い込む努力を延々と続ける集落の策略にしびれた。到来したお船様とその船員が見る間に毟られてく様が圧巻。共同体内では常識故に、誰も躊躇を覚えず一致団結できてしまうことの怖さが背筋をぞわっとさせる1作であった。

「正しい女たち」は先日直木賞を獲得した千早茜の短編集。桐野夏生の解説を読むまで相互の世界の微妙な関連性には不覚にも気がつかなかった(1つめと最後のが繋がっていることだけはすぐにわかったが)。「海辺の先生」が良かったが、桐野解説が想像するように、この彼女がその後振り切った性癖をもってしまったのなら、それは何とも残念だ。

「ぼくの死体をよろしくたのむ」は、どれも長編にできそうな設定がさわりだけ語られて、あとはでぽーんと打ち切られてしまうという、ある種贅沢な川上弘美の短編集。「いいラクダを得る」の学生生活無駄遣い軍団のたたずまいが良かった(いずれも面白く読んだけれども、ファンタジーな設定はやっぱり苦手であることも自覚)。

映画は2本。

マトリックス」は、相方が何度観ても毎回寝てしまって中身がよくわからんとぼやくのでアマプラで再見した。もう四半世紀前の映画だが、映像のスタイリッシュさは全く古びていなくて凄い(ブラウン管が出てくるとちょっと古いなとは思うけど。これはかの「ブレードランナー」もしかり)。トリニティのキスで蘇る設定にせんでもええのになあと、毎度そこだけが引っかかるが、ちょっと素人っぽいネオのカンフー姿も含めて今回も飽きずに視聴できた。相方も今回は寝ずに済んだようだ。

「シン・仮面ライダー」はコロナ禍突入以来、ひさびさの劇場映画鑑賞となった一作・・・であるのに相方ともども何度も睡魔に意識を持って行かれたのは、上映待ちの間にワイマーケットで痛飲したクラフトビール×3杯が原因であり、決して池松君の無駄遣いとも言える棒読み演出のせいではないはずだ、うん、多分。ゴジラウルトラマン「シン」を楽しめたのに今回がイマイチだったのは、仮面ライダーへの思い入れが前二者には個人的に及ばないことと、特撮はやっぱり巨大な何かが模型蹴散らしてナンボという思いがあるためであろう。あとは元品行方正ライダーだった身としては、ド派手な火を噴くエンジンがあっても2輪ではブレーキがきかないからかえって危ないよなとか、あんな魔改造してるのにちゃんと陸運局でプレートもらえてるのね、というあたりがつい気になって話に入り込めないというハンデもあったりしたかも。入口でもらったカードは池松&浜辺のペアということでまさに大当たりであった。

さて中日は、開幕カード3戦目にしてスタメンを大いじりするという短気立浪の面目が早くも躍如する何ともな展開で移動日を迎えてしまい、試合のない1日の間のもやもやが止まらない。

大島・ビシエドを聖域にしないというのは今期の大きな宿題であるが、ビシエドはさておくとしても、1・2番がみっちり機能している最中に大島をいきなり外すというのはさすがに暴挙ではないか。2人ともいじるにしてもまずはこんなくらいでよかったのに。

 岡林・細川・アキーノ・アルモンテ・木下・周平・福永・龍空(←代打ビシエド

とにもかくにも外国人野手3人スタメンでは未来を語りようもない。そもそも3人使った結果も出ていないが、仮に結果が出たとしても、どうやったって伸ばさざるを得ない若手野手に余計な蓋をするのはやっぱりダメだろう。龍空にポカはあったが、リカバリーチャンスなしというのは、さすがに短慮な懲罰の匂いがキツすぎるのではないか。

せっかく遠征に帯同させたブライトを3戦すべてで全く使わなかったのも解せない方針である。負け試合の最終回、左右の相性を考えたところで簡単には大勢を打てやしないのだから、あそこは加藤翔平じゃなくて1発がありうるブライトでよかったのに。

ヤクルトを迎えての明日からの地元開幕3連戦は、さてどうなることやら。やっぱり作戦選任のヘッド不在ではダメなのかも。

 

 

開幕勝利をどう評価するか

丁度中6日となるように先発を調整したのかと思いきやさにあらず、中日の開幕ローテは、小笠原・涌井・福谷・大野・柳の順で、恐らく6枚目に早くも宏斗を投入するというラインナップとなるようだ。エース級の登板回数を少しでも増やすという意味では、開幕カードに柳を投入してほしかったし、宏斗は3カード目くらいまで調整時間を作った方がよいのではとは思う。

かように投手起用についてはモヤモヤする中、開幕を担った小笠原がまさかの8回140球超えで逆転されるという異様な展開となった昨日の試合、がっくり落ち込み涙目のエースを救ったのはまさかの脇役軍団の活躍であった。

1球で後続を断った勝野、不格好なプロ初安打に続いて泥臭く岡本のエラーを誘った福永、そのチャンスをつないだ溝脇、1軍に滑り込んで唯一無二の芸を生かした高松。いずれも渋い働きが光った(自作自演だが加藤翔平のスリーバント成功も一応入れておこう)。

1人で引っ張ろうとした小笠原の異様な気迫に周りが引っ張られたとも言えるし、野球は1人でやるものではないことを身をもって周りが示したとも言える勝利であった。周平の打席で代打を出せと強く念じたことについては、この場を借りて深くお詫び申し上げる。初回に進塁打も打てず、ライナーで飛び出してダブルプレーを喰らったところで、周平の今季はまさにこんな感じなのだろうと諦めていたが、前半戦のキーマンが勝負所で仕事をしたのは昨日最大の収穫と言えよう。アキーノの犠牲フライも地味に効くボディブローとなった。派手な活躍はこれからとして、期待の助っ人が一働きできたのも良かった。

しかし、である。小笠原が折れずに救われたのは何よりだったが、脇役の熱演がベンチの悪采配まで覆い隠してはならないはず。

ジャリエル亡命のあおりで主戦先発に7回までとにかく投げさせたのはよしとしよう。確かに7回から祖父江では怖い流れであった。8回もさらに続投となった時点では、9回にまだライマルが使えず、勝ちパが清水しかいないためにやむなく引っ張ったのかと思ったのだが、そうではなかったことには驚いた。

清水はいよいよ今年本格的に名を上げることが確定している投手だ。彼を信用せずして今季のリリーフ陣は成り立ちようもない。清水→ライマルで行けたのに、あえて8回まで先発を引っ張る理由はどこにもない(なお、清水が何らかの故障なら仕方ないかも。まさかとは思うが・・・)。

長いシーズンを乗り切るためのリアリズムを欠いた投手起用が続くようでは、チームの上がり目は見えないはず。ここだけは結果オーライで終わらせてはならない。どんなやりとりでこうなったのかは知らないが、止めるべき責任者であるピッチングスタッフにはとりわけ猛省を求めたい。こんな調子で宏斗まで壊されたりしたら、目も当てられない。今すぐにでも落合ヘッドは権藤さんの爪のあかを煎じて服用するべきであろう。

 

AIはまだまだ

中日の先発とリリーフの勝ち星の推移を知りたくてBingで聞いてみたけれど、まだまだ全然でした。先発とリリーフの区別は難しいだろうけど、中日の毎年の総勝利数も全部間違っているので、まだまだ実用には耐えないようだ。まことしやかにコロナの影響と分析したりするところも、相当にあやうい印象。

ま、これから急速に進歩するかもしれないので、まずは現時点の性能の魚拓として貼っておきます。