酒精雑記

飲む日も飲まない日も

3月のふりかえり

あっと気付けば4月に入っており、桜も散り芝も緑を増しケヤキは茂りゆくという恐ろしいほどのタイムスピードで今年も1/4が終わってしまった。おおぅ・・。

1月頭にひろったコロナの影響は、結局つい先日まで何とも喉がいがらっぽくて咳もでるという症状が続き、咳ばらいをおおむねせずにすむようになるまで2ヶ月半超を要する結果となった。普段は風邪を引いてもせいぜい1ヶ月我慢すればまず元通りになっていたので、このしつこさには閉口した。

3月の休肝日は9日。マスク解除令と相前後して外飲み回数は急増し、実に7回に達した。馴染みのお店のみなさんも、この3年での飲んべのみなさんの行動習慣変容を嘆きつつも、ようやく客足が戻ってきたことを実感されている様子で、その笑顔を見に行くのが楽しい日々が続いた。まあいいことだ。

読書は4冊。

「気分上々」は森絵都による短編集。「風に舞い上がるビニールシート」などから何となく生真面目な作家さんという勝手なイメージを作り上げていたが、すこっと裏切られた1冊となった。よくもまあこんな設定を次々に思いつくものだと感嘆するのだが、設定の妙に終わらずぐっと深いところまであっというまに気持ちを持ってかれてしまうところが何とも凄い短編集である。特に気に入ったのは「17レボリューション」と「ヨハネスブルグのマフィア」の2作。これが同じ作者なんだからなあ。

「破船」は記録文学の大家である吉村昭の作にしては場所や時代が(あえて)あいまいとされた小説であるが、寒貧たる漁村共同体に連綿と続く神々しくもおぞまししい習俗とその顛末が描かれていて、これまた凄いと感じた。難破船の到来を単に神に祈り続けるのではなく、必然として誘い込む努力を延々と続ける集落の策略にしびれた。到来したお船様とその船員が見る間に毟られてく様が圧巻。共同体内では常識故に、誰も躊躇を覚えず一致団結できてしまうことの怖さが背筋をぞわっとさせる1作であった。

「正しい女たち」は先日直木賞を獲得した千早茜の短編集。桐野夏生の解説を読むまで相互の世界の微妙な関連性には不覚にも気がつかなかった(1つめと最後のが繋がっていることだけはすぐにわかったが)。「海辺の先生」が良かったが、桐野解説が想像するように、この彼女がその後振り切った性癖をもってしまったのなら、それは何とも残念だ。

「ぼくの死体をよろしくたのむ」は、どれも長編にできそうな設定がさわりだけ語られて、あとはでぽーんと打ち切られてしまうという、ある種贅沢な川上弘美の短編集。「いいラクダを得る」の学生生活無駄遣い軍団のたたずまいが良かった(いずれも面白く読んだけれども、ファンタジーな設定はやっぱり苦手であることも自覚)。

映画は2本。

マトリックス」は、相方が何度観ても毎回寝てしまって中身がよくわからんとぼやくのでアマプラで再見した。もう四半世紀前の映画だが、映像のスタイリッシュさは全く古びていなくて凄い(ブラウン管が出てくるとちょっと古いなとは思うけど。これはかの「ブレードランナー」もしかり)。トリニティのキスで蘇る設定にせんでもええのになあと、毎度そこだけが引っかかるが、ちょっと素人っぽいネオのカンフー姿も含めて今回も飽きずに視聴できた。相方も今回は寝ずに済んだようだ。

「シン・仮面ライダー」はコロナ禍突入以来、ひさびさの劇場映画鑑賞となった一作・・・であるのに相方ともども何度も睡魔に意識を持って行かれたのは、上映待ちの間にワイマーケットで痛飲したクラフトビール×3杯が原因であり、決して池松君の無駄遣いとも言える棒読み演出のせいではないはずだ、うん、多分。ゴジラウルトラマン「シン」を楽しめたのに今回がイマイチだったのは、仮面ライダーへの思い入れが前二者には個人的に及ばないことと、特撮はやっぱり巨大な何かが模型蹴散らしてナンボという思いがあるためであろう。あとは元品行方正ライダーだった身としては、ド派手な火を噴くエンジンがあっても2輪ではブレーキがきかないからかえって危ないよなとか、あんな魔改造してるのにちゃんと陸運局でプレートもらえてるのね、というあたりがつい気になって話に入り込めないというハンデもあったりしたかも。入口でもらったカードは池松&浜辺のペアということでまさに大当たりであった。

さて中日は、開幕カード3戦目にしてスタメンを大いじりするという短気立浪の面目が早くも躍如する何ともな展開で移動日を迎えてしまい、試合のない1日の間のもやもやが止まらない。

大島・ビシエドを聖域にしないというのは今期の大きな宿題であるが、ビシエドはさておくとしても、1・2番がみっちり機能している最中に大島をいきなり外すというのはさすがに暴挙ではないか。2人ともいじるにしてもまずはこんなくらいでよかったのに。

 岡林・細川・アキーノ・アルモンテ・木下・周平・福永・龍空(←代打ビシエド

とにもかくにも外国人野手3人スタメンでは未来を語りようもない。そもそも3人使った結果も出ていないが、仮に結果が出たとしても、どうやったって伸ばさざるを得ない若手野手に余計な蓋をするのはやっぱりダメだろう。龍空にポカはあったが、リカバリーチャンスなしというのは、さすがに短慮な懲罰の匂いがキツすぎるのではないか。

せっかく遠征に帯同させたブライトを3戦すべてで全く使わなかったのも解せない方針である。負け試合の最終回、左右の相性を考えたところで簡単には大勢を打てやしないのだから、あそこは加藤翔平じゃなくて1発がありうるブライトでよかったのに。

ヤクルトを迎えての明日からの地元開幕3連戦は、さてどうなることやら。やっぱり作戦選任のヘッド不在ではダメなのかも。