酒精雑記

飲む日も飲まない日も

4月・5月のふりかえり

5月末となり、台風襲来の影響か、今週は梅雨のような雨模様が続くようだ。金曜午後からキャンプ場にでも行くかと考えていたが、なかなか微妙な天候になりそうだ。

 

4月の休肝日は11日、5月はここまで8日と、何とか節制はしているものの、外飲みの回数はほぼ平常運転となってきたので、飲む機会を大事にするという意味でもメリハリはつけていきたい。

 

この2ヶ月での読書状況は以下のとおり。

「すべて真夜中の恋人たち」は、校正担当の奥手女子のささやかな冒険とその苦い顛末が書かれた川上未映子の一作。アル中描写の沼の深さが恐ろしい・・・。

「蛇行する月」は釧路湿原の高校を卒業した女子グループのその後を描いた桜木紫乃の連作小説。みんな業をしょって生きていくしかないんだよなあということを、ほんの少し前向きに捉えることができるように感じられる良作である。

「奇蹟のフォント」は、パソコンフォントの黎明期から現在に到る歴史をふりかえりながら、誰でも読めるフォントを世に出した過程を当事者が紹介したノンフィクション。筆者の成長譚ではなく、できる人って最初から凄い熱量を持って登場するのだという、ある種冷徹な感想がもたらされる一作(そのことを多分筆者は全く自覚していないところがさらに凄いのだ)。

「へぼ侍」は西南戦争に官軍として参加した士族末裔の若者の行動を記した坂上泉の松本清張賞受賞作。着想はとても面白いのだが、やっぱり戦争は公認殺人であり、痛快な気持ちで読むことはできなかった。この手の小説の読後感へのウクライナ戦争の影響は、やはりとてつもなく大きいのだった。

「できない相談」は森絵都超短編集だが、3月に読んだ「気分上々」の方がおもしろかったかも。

 

映画は結構観た。

東京物語」はショットの1つ1つが考え抜かれている(特に遠景が凄くよい)のだけれども、笠智衆が小津演出を回顧した発言(自分だけはものすごく細かい注文を受けたというような内容だったはず)を読むと、ほのぼのしみじみなだけでは済ませられないもやもや感がどうしても残ってしまう。当時の日本の風俗をふりかえることができるのは貴重だが、映画として本当に面白かったかというと、うーん、どうだろう。

「Still Dark」は下北沢で視覚障害の若者がナポリタンの店に弟子入りするという1時間程度の短編。アマプラなかりせば目にすることのない映画だったが、これは面白かった。登場人物は少数だが、キャラクターが皆大人で魅力的だ。高橋雄祐監督作の映画をもっと観てみたいと思う。

椿三十郎」を「用心棒」を見たことがないまま先に見てしまったのは失敗だったか。三船の愛嬌溢れる男っぽさが良いが、話の筋としては若干粗が目立つかも。

さらば冬のかもめ」はベトナム戦争のさなかで製作された海軍下士官らの心のすさみを描いた一作。ボストンコモンでの厳冬BBQのあたりがオフビートな感じでよかった。米国内の日蓮正宗の隆盛?も知ることができるという意味では珍品とも言えるか。

羊たちの沈黙」も見た。生きたまま脳味噌を味わうのは次作であったことを知るというくらい、きちんと通しで観たことのない映画であった。南の島に降り立つエンドロールはきっちり覚えていたのに。

「予定は未定」「オーバーナイトウォーク」もアマプラなかりせば見なかったであろう佳作短編。姉妹編なのかな。主演屋敷紘子と監督磯部鉄平の名を覚えておこうと思う。

「最強殺し屋伝説国岡」はモキュメンタリーであることを途中でやめてしまうという、荒っぽいけど終始何とも言えないおかしみが続く一作。アクションがとても良いが、最終決戦はもう少しあっさり一発でケリをつけた方が凄みがあってよかったかも。

「ビッグウエンズデー」は何ということもない青春ものかと思って観たら、案外にもほろにがくて深かった。とにもかくにもサーフィンシーンをドローンなしでよくぞ撮影したなと感服。

 

さて交流戦前までの中日の戦績は17勝29敗借金12でセ最下位であったが、ズッ友ヤクルトが豪快な沈みっぷりで0.5ゲーム差まで落ちてきたので、最下位一人旅は免れそうだ。

交流戦初戦の本日は、ブライト&鵜飼の同時出場(と大島の休養)で、ついにシン・ドラゴンズが姿を現した記念すべき日であった。開幕からここに到るまでの戦力篩い分けのための試行錯誤期間がいささか長すぎたが、たどり着いた先が「黒い三連星」ではなく、ビシエドと木下以外はオール若手で、しかも岡林以外はパンチのある打撃を期待できるメンバーということであるから、もうこれまでのあれやこれやは許してしまおうと思う。

今日の試合結果は投手陣が大荒れで(橋本はいつかやらかすのではと心配していたが、やっぱりやらかしてしまった)大差の敗戦となったが、ブライトのプロ初打点&初猛打賞、そしてバースデー鵜飼にも今季初HRが飛び出したのは、負けの中の大きな収穫であった。2人とも多分これから気持ちよくバットを振っていけるはず。指揮官には相手投手がどうであれ、メンバーをいじり倒さずに、是非このまま辛抱してもらいたい。