酒精雑記

飲む日も飲まない日も

開幕勝利をどう評価するか

丁度中6日となるように先発を調整したのかと思いきやさにあらず、中日の開幕ローテは、小笠原・涌井・福谷・大野・柳の順で、恐らく6枚目に早くも宏斗を投入するというラインナップとなるようだ。エース級の登板回数を少しでも増やすという意味では、開幕カードに柳を投入してほしかったし、宏斗は3カード目くらいまで調整時間を作った方がよいのではとは思う。

かように投手起用についてはモヤモヤする中、開幕を担った小笠原がまさかの8回140球超えで逆転されるという異様な展開となった昨日の試合、がっくり落ち込み涙目のエースを救ったのはまさかの脇役軍団の活躍であった。

1球で後続を断った勝野、不格好なプロ初安打に続いて泥臭く岡本のエラーを誘った福永、そのチャンスをつないだ溝脇、1軍に滑り込んで唯一無二の芸を生かした高松。いずれも渋い働きが光った(自作自演だが加藤翔平のスリーバント成功も一応入れておこう)。

1人で引っ張ろうとした小笠原の異様な気迫に周りが引っ張られたとも言えるし、野球は1人でやるものではないことを身をもって周りが示したとも言える勝利であった。周平の打席で代打を出せと強く念じたことについては、この場を借りて深くお詫び申し上げる。初回に進塁打も打てず、ライナーで飛び出してダブルプレーを喰らったところで、周平の今季はまさにこんな感じなのだろうと諦めていたが、前半戦のキーマンが勝負所で仕事をしたのは昨日最大の収穫と言えよう。アキーノの犠牲フライも地味に効くボディブローとなった。派手な活躍はこれからとして、期待の助っ人が一働きできたのも良かった。

しかし、である。小笠原が折れずに救われたのは何よりだったが、脇役の熱演がベンチの悪采配まで覆い隠してはならないはず。

ジャリエル亡命のあおりで主戦先発に7回までとにかく投げさせたのはよしとしよう。確かに7回から祖父江では怖い流れであった。8回もさらに続投となった時点では、9回にまだライマルが使えず、勝ちパが清水しかいないためにやむなく引っ張ったのかと思ったのだが、そうではなかったことには驚いた。

清水はいよいよ今年本格的に名を上げることが確定している投手だ。彼を信用せずして今季のリリーフ陣は成り立ちようもない。清水→ライマルで行けたのに、あえて8回まで先発を引っ張る理由はどこにもない(なお、清水が何らかの故障なら仕方ないかも。まさかとは思うが・・・)。

長いシーズンを乗り切るためのリアリズムを欠いた投手起用が続くようでは、チームの上がり目は見えないはず。ここだけは結果オーライで終わらせてはならない。どんなやりとりでこうなったのかは知らないが、止めるべき責任者であるピッチングスタッフにはとりわけ猛省を求めたい。こんな調子で宏斗まで壊されたりしたら、目も当てられない。今すぐにでも落合ヘッドは権藤さんの爪のあかを煎じて服用するべきであろう。