酒精雑記

飲む日も飲まない日も

『ディア・ハンター』

昨日の酒量 ヱビス350×1

以前から観たいと思っていた表題作がAmazonプライムに放り込まれているのを発見し、早速視聴した。スラブ系移民の子孫としてピッツバーグとおぼしき製鉄所に勤める男たちが、ベトナム戦争に翻弄されるという物語。もともとの原作はロシアンルーレットの話で、ベトナム戦争は映画制作についての後付け設定だったとのこと。当たり前だがとにかくメリル・ストリープが若い。「マジソン郡」以降のイメージしかなかったので、ちょっと驚いた。デ・ニーロがリンダに語りかけるときの柔和な表情も良い。コミュニティの若者の結婚式の乱痴気騒ぎを延々と描いた後、鹿狩りのシーンを挟んで突如として戦闘シーンに放り込まれるところが凄い。入営から戦線への赴任の流れを全く割愛した判断の潔さが、兵士として戦線に投入される理不尽さをとても良く表現していると思う。サイゴン陥落から数年後にはこうした映画が公開されたというのも凄いことだ。

今から振り返ると、丁度マイクやアクセルらの世代がトランプ支持層となり、スイングステートであるペンシルバニアでの共和党の勝利を導いたということになる。その観点でもなかなか興味深い映画であった。