酒精雑記

飲む日も飲まない日も

『刑務所のリタ・ヘイワース』

昨日の酒量 ヱビス350×1、キンミヤ檸檬ハイ×1

柳が一皮剥けたことを証明する快投で、借金が6に膨らむ危機を何とか回避できた。先発陣の駒不足は全く解消されていないものの、今年の柳には大野とともに二桁勝利を期待できそうなオーラがある。日本人投手の右左に各1本ずつの柱が立っているのは何年ぶりのことだろうか。

打線の不調は底を打った感があるので、清水・阿知羅といった先発新戦力への援護射撃を続けて欲しい。セカンドはマスター阿部が完全に定位置を確保しており頼もしい限りだ。あとは左翼手だが、63打数で5HRの福田が入ると破壊力が段違いである。ケガの不安がないなら、守備に目をつぶっても先発で使い続けてほしい。

京田が少し調子を下げ気味で通算OPSも0.7を切ったため、やはり大島→平田→ビシエド→周平→阿部→福田→京田→加藤という並びを希望するが、予想に反して大島が四球を選んで出塁率を上げているので、京田と並んでいても昨年ほどの残念感はない。

打順には贅沢を言わないので、投手事情からアルモンテ・モヤを上げる余地がない現状では、福田を先発で固定するのがベストの選択のはず。つまりは昨日のスタメンがベストメンバーということだ。福田と伊藤康祐・遠藤を3:1から4:1くらいで使うというくらいのプロポーションでどうだろうか。

さて『ショーシャンクの空に』の原作中編を文庫で読了。原作では所長の行状や末路があそこまでエグいものではなく、トミーも射殺されず、老図書館名主も自死しないので、脚本が上手に映画らしい盛り上がりを創作していたことがわかり、なかなか興味深かった。

他方、映画を観たときの細かな疑問については小説の側で答を準備していたことがわかった。そうはいっても固いコンクリートをあれだけ掘り進めることができるのか?、排水溝の出口って網が張ってあるんじゃないの?という点についても、レッドの視点からの推論がまとめられていて面白かった。なぜ黒曜石?という疑問も、オフィスの文鎮だったということで納得。もっともネイティブアメリカンの8ヶ月の同居エピソードで気がついたが、貫通したあとの空気圧でポスターがばたついてしまうのでは?という新たな疑問も生じてしまった。

架空の人格の準備については、入所前の盟友の協力によるものであるより、映画のように裏金口座開設のために入所中に所長の協力の下で作成したという話の方がより痛快である。しかし、映画の筋書きのように所長の不正を告発してしまうと、架空口座名義が世に知られてしまうおそれがあり、長らくその名前で生きていくことのリスクは高まってしまう。その点で、小説の方が設定としては緻密と言えそうだ。他の映画で使い回されたプロットではあるが、黒曜石の下の鍵が失われる時期を知って脱獄を急ぐというスリリングさも加味できるという利点もある。この点は小説の筋立ての方が個人的には好みであった。