酒精雑記

飲む日も飲まない日も

ライアン小川

どうやらヤクルト小川がFA宣言しそうである。さて中日は小川を獲るべきか。状況を整理してみる。

小川は狭い神宮を本拠としながら毎年100イニング以上を確実に投げてきた。K/BBも3を超えており大変優秀である。今季の対中日以外の防御率は不良だが、ナゴドを本拠とした場合、おそらくシーズン通してローテーションを守ってくれることが期待される。大野雄・福谷が今年並みの活躍ができるとは限らない。先発の柱が1本増えるというのは、たいへん良い補強ポイントである。

ただしヤクルトは宣言残留も認めるそうで、一説には4年8億を提示しているとか。これを超える条件の提示はかなり難しいだろう。長期契約の弊害を考えても合理的なのはせいぜい3年までとも思われ、欲しいけれども手が届かず(ないしは割高)ということになりそうだ。

仮にお金は準備できたとして、次はプロテクト問題である。契約保留者名簿が確定したのでプロテクトリストをドライに考えてみると、こんな感じか。

小笠原・谷元・又吉・柳・大野雄・福谷・梅津・祖父江・福・勝野・清水・山本・木下雄・橋本、木下拓・郡司・石橋、京田・石川昂・高橋・阿部・根尾・石垣・平田・大島・遠藤・岡林・福田。ここまでで28人。

上記リストでは、投手では、鈴木博、藤嶋、岡田、笠原、石川翔というあたりが、野手では井領、武田、堂上、三ツ俣、溝脇あたりが外れることになる。小笠原・山本あたりを石川翔・鈴木博あたりと比較してどっちを優先するかは、なかなか悩ましい。また、元ドラ1だの地元だの実績だのなんだのかんだのを考えたときに、堂上・藤井・岡田あたりを球団がすぱっとリストから外せるものかどうかは、かなり怪しいところだ。

おそらくヤクルトは先発型の投手を補償に選ぶと思われるので杞憂かもしれないが、うっかり加藤あたりを取られると、1軍の戦力面はともかくとして、ファームの人のやりくりはかなり難しくなりそうである。

以上を総合すると、来季優勝を目指すはずみをつける上でも小川の獲得を目指すべきとは思うものの、おそらくFAでの獲得はないだろう。結局のところ、梅津・柳・小笠原あたりの奮起で、小川を獲れない分についてはカバーできると期待するしかないようだ。

・・・と9割方このように予想しているのだが、今期終盤にマウンドに立てるようになった垣越をあえて育成に回したのは、FA参戦を念頭においた補償対策のような気がしないでもない。そこまでフロントが作戦を考えながら編成を組めるようになっているなら、それはそれで球団として大きな進歩ではあるが、さて真実やいかに。