酒精雑記

飲む日も飲まない日も

『光炎の人』(上・下)

昨日の酒量 ヱビス350×2

なかなかまとめて読む時間がとれなかったが、通勤の往復などの隙間を使いながら木内昇の表題作を1ヶ月弱で読み切った。技術と倫理、歴史と庶民、そして出自と出世といういずれも骨太のテーマを3本しっかりとからめながら、孤独な男の哀れな生涯がまとった熱量と狂気を描ききった作家の力に圧倒された。作者と伴走した校閲担当者の闘いの跡を感じさせるあとがきも良い。