酒精雑記

飲む日も飲まない日も

AIはまだまだ

中日の先発とリリーフの勝ち星の推移を知りたくてBingで聞いてみたけれど、まだまだ全然でした。先発とリリーフの区別は難しいだろうけど、中日の毎年の総勝利数も全部間違っているので、まだまだ実用には耐えないようだ。まことしやかにコロナの影響と分析したりするところも、相当にあやうい印象。

ま、これから急速に進歩するかもしれないので、まずは現時点の性能の魚拓として貼っておきます。

 

 

オープン戦終了

中日がオープン戦を勝ち越しで終えるのは2012年以来とのこと。まずは吉兆と捉えたい。

開幕は小笠原→柳→福谷ということのようで、以後は

大野(火)→涌井(水)→?(木)→小笠原(金)→柳(土)→?(日)

という並びで暫くは進行するようである。

6枚目は不安をかかえつつも松葉を投入するのであろう。WBCにならって第2先発にヒロシをあてがい、2人で3回ずつ全力投球というのも悪くないかも。

2度目の日曜からは宏斗が中6日で登板するのか、それとも10日空けで日→木とシフトするのか。興行的には「サンデー宏斗」で行きたいだろうが、交流戦までは少し間を空けながらの方がいいような気もする。

中継ぎは藤嶋が離脱してしまったが、勝野がその穴を埋めそうだ。森は最終登板がいささかピリッとしなかったが、オープン戦通算では7登板でWHIP1.09となかなかの成績であった(K/BBが1を切っているのはご愛敬)。何とか敗戦処理と勝ちパの狭間くらいのポジションは確保したのではないか。砂田も何とか目途が立ち、山本も5回を投げてWHIP0.60はさすがに数字である。ジャリエルが合流が遅れる間、清水が1つ後ろを任されることになるのだろう。祖父江・谷元が大崩れしなければ(希望的観測)リリーフ陣もまあ何とかなりそうだ。

打線も開幕メンバーはほぼ固まった。岡林は今年一層の飛躍を遂げるはずだが、とにもかくにも大島をベンチに追いやるだけの外野手が出てこなかったのは残念。単打系が外野に2枚並ぶこととなるので内野+アキーノの打棒がカギとなる。もっとも周平は開幕直前にやや調子を上げてきたようだが、OPS.564でサード3番というのはどうなんだろう。龍空も本番での強さを見せてくれるとは思うが、守備型選手の域は出ないだろう。田中も長期離脱は必至のようで、OPS.756の福永がいなければ本当にしょんぼりだったはず。7位で取っておいて本当によかった。

打順は

岡林・大島・周平・アキーノ・ビシエド・木下・福永・龍空

で行くようだが、

岡林・大島・アキーノ・ビシエド・木下・周平・福永・龍空

の方がいいんじゃないかなあと、ずっと感じている。

いずれにしてもアキーノが不発だとかなり苦しいシーズンになりそうだ。カリステがいい味を出しそうだが、彼の出番があるということは、相当に野手陣が苦しんでいるということなので、できればそうならないことを祈りたい。

来年優勝するためにも、今年はCS出場が至上命題である。まず交流戦までしのげば、野手では石川昂弥・石橋の復帰が、投手では根尾の戦力化も見えてくる。そのころまでにはブライト・鵜飼の巻き返しが見られるかもしれぬ。

まずはそこまで何とか頑張ってほしい。

 

 

 

今年の戦力

さて年明け自主練に始まり、すでに北谷のキャンプ終了し、バンドに侍を迎えての2戦が明日から始まる。中日の今年の1軍戦力もだいたい仕分けができてきたようであるが、さて今年はどうなるか。

最大のカギと目されるアキーノは、立浪が心配したフリースインガーくるくる扇風機ではなさそうで、パワーは本物かつ案外シュアな打撃も期待できる優良物件のようだ。守備は肩は強いもののフライ捕球に若干の難があるのかもしれない。ただこれも十分目をつぶれるレベルであろう。中日球団のフロントに対しては概して辛口になりがちだが、この補強については褒めてつかわそう。今日の岡林の死球の影響が心配ではあるが、万一外野の一角が空くようなら、大島が岡林の穴を埋めるとして、レフトを狙う大砲候補たちにとっては大きなチャンスが訪れることになるのかもしれぬ。

石川昂弥はしばらく待つ必要があるのはわかっていたことだが、重いバットに切り替えた鵜飼も調子を下げているようで大変に残念だ。細川がある程度やるだろうことは想定していたが、ブライトには正直なところ全く期待していなかったので、読谷から自力で這い上がったのは立派である。1軍で出場したら、ブララブララブラリーナ!Hey!と応援したい。なんならみんなでバスマットを腰に巻こう。福元・福永のハッピーコンビも好調で、打力については今年はかなり期待できそうだ(なにせあのカトタクまで強打の新境地に到達しているのだから)。

内野陣は山浅がめちゃくちゃ頼もしい。捕手が持ちあわせるべき不敵さが感じられるのが良い。田中も足や守備だけでなくスイングもピシッと切れが感じられて頼もしい。他方で競争心に火のついた龍空も負けじとヒットを重ねているので、ショートスタメンは龍空が奪うだろうと予想している。村松も出だしはまずまずだったが疲れのせいか壁にあたっている感じは否めないし、売りのミート力もまだ異次元レベルを感じさせるものではないので、しばらくは苦労しそうだが、阿部を放出する賭けに出た以上、腹を据えて育てるしかない。この間隙をついて本来は石垣あたりが名乗りを上げなければならないのだが・・・。結局のところ、周平の出来が前半のカギとなるんじゃなかろうか。

投手陣では高橋宏斗のフォームチェンジ騒動とWBC出場の影響のダブルパンチが妙な形で生じないことを祈り続けているが、そのリスクを負ってでも侍メンバーに揉まれた経験は彼を大きく育てることであろう。柳と小笠原はここまでの登板では今ひとつピリッとしないものの、大野も含めた4本柱はいかに調子を落としたとしてもまとめて総崩れになることはなさそうで、ここが中日のストロングポイントであろう。

続く5番手争いはゴロアウトに新境地を見出したヒロシが一旦リードしたかのように見えたが、先日ボコボコに打ち込まれたので、また混沌としてきたようだ。涌井のブルペンでのたたずまいには期待しかないが、さりとてコントロールだけで先発としてフル回転できるかどうかはまだ未知数である。実戦登板が待ち遠しい。松葉は相変わらず淡々としつつ同時に虎視眈々といういぶし銀の味わいを見せており、6本目までには必ず入ってくるはず。彼が機能するかどうかが今季の中日のAクラス入りのカギとなるような予感がする。仲地も単にまとまっているだけではない力強さを感じさせているので、いずれにしても今季の中日はほぼ一貫してドラ1ローテになりそうだ。ここに割って入れるとすると上田か勝野あたりであろうか。

根尾が入ってもドラ1ローテなのだが、まさかのバッピでの大乱調からパッとせず、怪我のない先発候補ではおおむね最後尾からのスタートとなったようだ。今日の練習試合でも、途中登板でアマ相手に1回を投げて1失点を喫したようで、1軍合流を期待できるのはしばらく先ということになりそうだ。昨年末の状況からするとスタートダッシュをきめてくれるのではと期待していたので、その分がっかり感も大きくなってしまう。同期入団も梅津・石橋・垣越が軒並み戦線に加わることができておらず、この年のドラフトの真価が問われる1年となりそうだ。

豪腕育成松山はポテンシャルを強く感じさせたが、今季はしばらく下でコントロールを磨く必要があるのだろう。石森・石川翔は相当にチャンスをもらったが崖っぷちであることがむしろ露呈してしまったようで何とも残念。せめて橋本あたりがきっちり戦力とらないものだろうか。

リリーフ陣では清水は今年も大丈夫そうで何よりである。地味ながら森が着実にステップアップしてきているのも頼もしい。解析結果ではボールの回転が独特ということなので、大ブレイクもあるんじゃないかと密かに期待している。福島も左の中継ぎの主力として名乗りを上げそうだ。

岡田はサイド転向が結構はまるのではないかと期待していたが、まさかの投球中の大腿骨骨折で戦列を離れてしまった。足を滑らせたわけでもないようで、まさか病的骨折ではなかろうなと本当に心配になってしまう。現役人生最大の危機を迎えてしまったが、せめて他に疾患がないことを心から祈りたい。膝をこの時期に手術した福田も同じく崖っぷちだ。今季のフィールドで彼を一度でも見ることができればと願うばかりだ。

以上、盤石の投手陣に加えて貧打解消も見えてきた今季の戦力には期待しかないのだが、せめて開幕までは同じ気持ちでいられることを祈りたい。頼むよホントに。

 

1月・2月のふりかえり(除く中日評)

正月早々にコロナを拾ってしまい、仕事にあけた穴のリカバリーでどたばたしているうちに、はや2月も末となってしまった。解熱後も乾いた咳が続いたが、ようやく喉の調子も落ち着いてきた。いつもの風邪なら3週間くらいで咳が止まるので、随分長くかかってしまった。

休肝日のメモもまめに書かなくなったため正確性はあやしいものの、1月は14日、2月はここまで7日くらいか。平日の仕事先の帰りがけで一杯飲むことが増えたので、休肝日は減少気味ではある。

読書は年明けから7冊。買いだめしてあった小説を隔離中に何冊か読むことができた。

「火星に住むつもりかい」は伊坂幸太郎の仙台ディストピアものである。きれいに伏線は回収されるが、欧州の現実のディストピアを見ているとおとぎ話感が出てしまうか。武器の磁石が物理学的に正しいのかしらんというところがずっと気になってしまう一冊でもあった。

「凍河」(上・下)はめったに手を出さない五木寛之の新聞連載小説の文庫版。葉子がファムファタールであることを予告しているわりには、最後まで物語が動き出さないまま終わりを迎えてしまったような。小説とは言え精神科医が患者に手を出すのはあまりに御法度すぎて、作品世界に入り込めなかった。

「牛を屠る」は「おれのおばさん」の佐川光晴が小説家になる前に働いていた大宮の屠殺場のドキュメンタリー。現場を見ないとどんな作業をしているのかわかりにくいところもあったが、佐川氏がまっこと骨太な人生を送っていることが良く理解できた良作である。

「高架線」は映画「花束みたいな恋をした」に出てくるサブカル(?)情報の中に名前が出てきた滝口悠生によるアパート小説(他には「三の隣は五号室」「木暮荘物語」くらいしか思い浮かばないけど)。私自身は京王沿線民族であったので西武線沿線はあまり馴染みがないが、変遷していく住人達の個性が愛おしく感じられた。

「死んでいない者」は、この流れで買ってみた滝口悠生の2冊目。なんということもない場所のなんということもない葬儀に出席する一族のお話だが、ところどころでぽーんと視点が浮遊するところが面白い。文庫でカップリングされたスナックのお話も良い。飲み屋で人の来し方に触れるのがいかに無粋かを心に刻みました。はい。

「光」は三浦しをんによる重厚な犯罪譚。離島で育った幼なじみが震災を契機として犯罪に手を染めたことを胸に秘めながら大人になって・・・というのは「白夜行」と「幻夜」をミックスしたような筋ではあるが、実は最初から運命の女性が男を裏切っているというところが切ない。東日本大震災の数年前の作だが、津波の猛威をリアルに伝える内容となっているところも凄い。「まほろ」を書き継いでいる間に、こんなのも書いていたとは。

海がきこえる」は昔懐かし氷室冴子ラノベの文庫新装版。たまたまウェブで目にしたのでつい買ってしまった。アニメの内容も高知の未成年が酒盛りする話というくらいの認識しかない(コンプラ的に地上波ではなかなか流れないせいもあって)のだが、原作は中央線じゃなくて西武線だったのか。ジブリは原作の改変に遠慮がないことをあらためて知ることとなった。はたして里伽子が高校生~大学入学男子にとって魅力的であることが説得的なのかどうか、自分がきっちり大人の後半戦にたどり着いてしまっているとなかなかビミョーかもしれない。とはいえ、物語がさあこれからというところでこの本がエンディングを迎えているので、続編を読んでしまうかも。

映画は9作。コロナ隔離中に視聴がはかどってしまった。

「四十七人の死角」は市川崑による赤穂浪士もの。中井貴一の又四郎が良いが、筋書き中では肝腎なところでディフェンスの甘さが際立つのが気の毒。宮沢りえの良い時期が真空パック保存されている貴重な作だが、健さんと恋に落ちる必然性が説明されていないので、やはり話としては弱いか。資金繰りや情報戦の視点は斬新で興味深かった。でもテロはだめ、絶対。

男はつらいよ」の第1作も観た。最初はこんな感じなのねというところが興味深かったが、寅次郎がたいした理由もなくさくらに手を上げたシーンでドン引きであった。

「アベック・モン・マリ」は、今は亡き大杉漣の情けない怪演が楽しい小粋な作品。ギクシャクした会話が続く劇の中で板谷由夏がとても良い感じでさすがのキャリアだなあと思って調べたら、なんとこれが女優としてのデビュー作であった。由夏姐さん恐るべし。

「シーサイド・モーテル」はキャストの濃さで思わず視聴した一作。わかっていても古田新太が窓外を通りかかると笑ってしまう。これは卑怯だ。麻生久美子が相も変わらずキュートだが、どうせなら最初から最後まで舞台はモーテル内で完結してほしかったか。

千年女優」もコロナ禍隔離中に視聴。筋についてはうまく評価できないところもあるが、観たことのないタイプのアニメであり一見の価値があった。最後のセリフは聞いた瞬間ガクッときたが、良く考えたら千代子は女優なんだから無問題であった。

「花束みたいな恋をした」も、この療養中にえいやっと覚悟を決めて視聴した一作。元京王井の頭線の民として明大前が映画に出てくるのは見逃せないのであった。予告編では何ともこそばゆくて、合わないかなと思っていたが、想像より入り込んで楽しく観ることができた。具体名が挙がってくるサブカル実例の中で、音楽とお笑いはさっぱりだが、本棚は6割方一緒というくらいのシンクロ率。終電を逃した際の大人カップルの通ぶった会話に、実写版の「魔女の宅急便」をぶっこんできたところもツボであった。脚本の坂元裕二は「邦キチ!映子さん」を読んでいるはず。知らんけど。

「愛なのに」「猫は逃げた」は監督と脚本を入れ替えてキャストもゆるいつながりがあるというR15のカップリング作。

「愛なのに」は三鷹に実在する古書店が素敵だ。朴訥とした瀬戸康史も悪くないし、河合優実のつっけんどんな愛の語りも良い。何より結婚式打ち合わせ担当者とくっついてしまった中島歩の浮気の言い訳が最高だった。

「猫は逃げた」は亜子役の山本奈衣瑠とオセロ(という名前の猫らしい)の演技が良かった。ちょこっとだけ出てくるオズワルド伊藤兄のインチキ文化人っぷりがサイコーに笑えた。アガペーとエロスを繰り返すナレーションの声が瀬戸康史であることを知るエンドロールも楽しかった。

「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」はウェス・アンダーソンの凝りに凝った映像が展開する目で見て良作だなあと思える映画だったが、字幕がナレーションのマシンガントークを拾い切れていないためか、はたまた私の注意力が散漫だったせいか、お話の構造が冒頭で十分つかめないまま中身に入ってしまったので少々消化不良となった。

長くなったので、我が中日ドラゴンズのキャンプ感想などは別稿にて。

 

※2023/03/02 読書について追記

メモ漏れで2冊抜けていた。

「こちらあみ子」も「花束」で今村夏子が何度か出てきたので、そろそろ読んでみようかと思って購入した1冊。誰も悪くないのに自分も周囲も容赦なく傷ついていく切なさよ。そんな中でチラリと救いをもたらす同級男子はあみ子に名前も覚えてもらえていないのだが、彼の声掛けシーンがなければ、あみ子当人はあっけらかんとしてるとは言え、もっと殺伐とした読後感になったであろう。あんたはえらい。にしても筆者はデビュー作にしてこれだけ凄い小説を書いてまったのね。それはそれで大変だ。そのうち映画も観てみよう。

「献灯使」は大災害後の鎖国日本を舞台とした多和田葉子の1冊。人権が確保された世界の大切さを思い知るが、そのあたりまえが案外紙一重であることを切実に感じる昨今である。なんだかなあ。

・・・ということで年明け2月末までで合計9冊。

 

 

12月のふりかえり

あっというまに年明けを迎えてしまったが、例年よりもなんだか時間的には余力のある年末年始となった。

12月の休肝日は9日とやや少なめであった。平日に日帰り出張などが入るようになってきたので、なんだかんだ出先で帰りがけに酒を飲む機会が増えたためである。まあ、悪い事ではないとしよう。

映画は3本。

北部アイルランドの分断の姿を子ども時代の記憶で描いた「ベルファスト」は、時代背景について詳しい知識がないと、さらっと説明される場面場面の理解が難しい部分もあったが、生まれた土地で生きていくことの尊さを伝えてくれる良作であった。ウクライナでさらに酷いことが起きていると思うと本当にいたたまれない。

伊坂幸太郎の「マリアビートル」が原作であるはずの「ブレットトレイン」は、リアリティのある舞台(主に仙台)にファンタジーであったりディストピアであったりという異物をきれいに収めるという原作者の通奏低音とはかけ離れた映画であることは織り込んで見たつもりだったが、その心の準備をあざわらうような大味な映画であった。東海道新幹線に舞台を移したことや、富士山がここで出てくるかというディテールには目をつぶったし、西洋の見たキッチュな日本も許容したのだが・・・。

若きクリエーターものにコメディSFをはめ込んだ「サマーフィルムにのって」は、大河で頼家役を好演した俳優が出てくるということで視聴した1作。追いかけるヒロインのわざとらしい走り方など、冒頭から演出の方向性に肌合いの悪さを感じたし、劇中映画でラストを生でやり直すという往生際の悪いシナリオには異論もなくはないが、荒削りのまま走りきったことは称賛されてよい1作であった。ヒロインはあまり好みの俳優さんではないなあと思いながら観ていたが、最後の箒殺陣の迫力に押し切られてしまった。「映像研」実写版で浅草氏をやらせるならこっちが適役だったか。

読書は低調で読了作がない1ヶ月となってしまった。iPadをほぼ10年振りに買い換えてからKindleその他諸々のサイトやアプリでの漫画読書がはかどりすぎて、文庫本を手にする機会が減りすぎているのは昨年末の反省点である。

さて、中日のストーブリーグである。ロッテカトタクの出戻り無償トレードという、ちょっぴり恥ずかしいけど捕手穴埋めにはほどよい好手を打ったのは朗報であった。さらに主力級捕手のトレードを狙っているという報があるが、そんな都合のよい話が転がっているはずもなく、来年前半はとにもかくにも木下が怪我をしないことに賭けるしかなかろう。

来季の展望であるが、上位進出の必要条件は多分こんな感じ。

①大野・柳・小笠原・高橋という先発4本柱のうち、最低3本がローテを維持する(高橋は中10日でも可としよう)。

②先発2ndライン7人衆(松葉・涌井・上田・仲地・根尾・梅津・ヒロシ)のうち、1人が年間ローテに入り、その他に最低2人が年間5勝レベルまでの飛躍を遂げる。あるいは福島・松木平あたりがひょっこり7人衆に加わる。

③中継ぎ・抑えは、メンツの出入りはあれどトータルでは昨年並みの成績を維持する。そのためには、勝野(は中継ぎへの配置換えがよいと思う)・橋本・森・石森・サイド転向岡田・元DeNA砂田・育成豪腕松山の中から最低2枚は1軍の通期戦力に名乗りを上げてもらう必要があるだろう。

④打つ方では、ビシエドが昨年終盤並みに復調した上で、アキーノ・鵜飼・福元・石垣・細川・石川昂の中から、堂々のレギュラー定着が1人+通期ではなくとも大砲として覚醒する者が2人。これは大島を控えに追いやる場面が前半から出てくることを意味する条件でもある。

⑤木下が石橋完調となるまで怪我をせず、そこそこ打つ(できればリード面で、公然と身内からYouTubeでこき下ろされたことを見返すような新境地を示してほしいが、それがなくとも元気でさえいてくれれば、上位進出の妨げにはならないはず)。

なお、二遊間も流動的だが、多分誰か彼かで埋めていけば何とかなる。それだけのメンツは揃っているし、ここの部分でチームの命運が決まるかというとそうではないと思う。

これだけ注目されてしまうと岡林が対策されて壁に当たる可能性も十分ありうるが、大島で互換可能であり、ここも上位進出の必要条件ではないと見ている。

条件①・②・③は十分に現実味のあるシナリオだと思う。⑤はコケると代替しようがないという意味で一番おっかない部分だが、怪我なく完走すること自体の確率はそれなりに高いはず。多分。

問題は条件④である。まさに裏付けなき願望そのものであって、ここが一番高いハードルとなるが、阿部を出してまで世代交代を図った以上は、やってもらう他ない。うん。

 

 

 

11月のふりかえり

あっという間に師走を迎えた。W杯はドイツ戦スペイン戦とも前半の結果を確認してから熟睡している間にまさかの逆転劇となった。通しで観たコスタリカ戦だけ負けており、今晩のクロアチア戦を何時まで観戦するか悩ましいところである。

11月の休肝日は14日。週末に連日近所の横丁で深酒するということがあったわりには、平日はそこそこ節制した1ヶ月となった。

読書は4冊。

『夜更けのおつまみ』は業界誌連載の酒肴にまつわるコラムを集めたアンソロジーで31名の執筆者がそれぞれの好みを開陳している。同じテーマの作なので大変比較しやすいため、筆者の力量の差が如実に分かってしまうところがおそろしい。ともあれ、ちょいつまみとしてのオイルサーディン缶の使い勝手の良さは、衆目の一致するところか。

タイトルと著者名だけ見てレジに持っていった『夜行』は、森見登美彦お得意の京都腐れ学生ものかと思い込んでいたが、まさかの奇譚怪談ものであった。各章の不穏な結末を結末で回収できているのかどうか、全体としてはとっちらかった感じも残り、直木賞選考時の高村薫による「書きかけの習作」という手厳しい選評が的を射ているが、習作ならではの味わいを楽しむべく、ありもしない隠された謎の答探しを仕向ける出版社の企てには乗らずに、怪談としてのゾワゾワにゅるにゅるな読後感に身を委ねるべき一作と言えよう。

村山由佳の『星々の舟』は、職場向かいの公園に出店していた古書店の文庫棚からインスピレーションで抜き取った中の1冊。ある一族のそれぞれの物語を紡ぐ連作だが、いろいろ盛り込みすぎて、設定がなんだか技巧的に見えてきてしまったのが残念。筆者渾身のテーマとなるはずので引き揚げ者の物語は、出来れば別の小説として読みたかった。直木賞受賞時の津本陽による「果物籠に果物を盛りすぎたような不安定感」との選評は誠に辛辣だがそのとおりと感じた。ただ五木寛之による「小器用にまとまった熱気のない作品など、読んだところで仕方がないではないか」との援護射撃も大変良いところを突いているなあとも。

海浜の丘の宿に泊まりにいった際に本棚にあった『春琴抄』の文庫は、その場では読み切れなかったので、残りの部分は帰宅後に青空文庫で読み切った。句点を極力使わないという独特の文体が妙に癖になった。基本読書は同時代作家派なので、近代文学夏目漱石くらいしか手がのびなかったが、もう1作くらい谷崎を読んでみようかと思う。

『生きてるだけで、愛』は、旅先に持ち出して冒頭を読んだところでどこかに紛失してしまった。文庫のカバーは剥いて持ち歩く派なので、主を失った本作のカバーが淋しく本棚にたたずんでいる。中身だけどこかで購入できないものか。

映画は5本。

建築学概論』は王道の韓国恋愛ドラマ。女と再会したときの男の反応と、最後の最後にちょっとだけくっついてしまうところには筋として瑕疵を感じたが、丁寧に描かれたストーリーをしっとりと楽しむことができた。

建築繋がりで視聴した『コロンバス』もなかなか見応えのある佳作であった。オハイオモダニズム建築の聖地があるということも知らなかったが、建物だけでなくストーリーも静謐で良かった。

劇場で見損ねた『シン・ウルトラマン』がアマプラに登場したので早速視聴した。ウルトラマンネイティブ世代としては『シン・ゴジラ』よりも素直に楽しむことができた。異星人が1人で世界征服に来ちゃうところや、地球を防衛するメンバーが数人という規模であるところなど、旧作での世界観を壊さず大がかりにしすぎなかったところが好印象であった。

『バーフバリ』『バーフバリ2』は『RRR』を観に行く前の肩慣らしのつもりだったが、肩はむちゃくちゃ暖まったのに多忙にかまけて『RRR』をまだ観ていないというていたらくである。とにかく破天荒で外連味たっぷりなところが楽しい2作であった。

中日の来季の陣容はほぼ固まった。現役ドラフトが残っているが、各球団が任意に2名を候補とする今回の仕組みだと、飼い殺しで才能が埋もれている選手が投入される可能性は乏しいはずで、この結果によって戦力面で大きな違いが出ることはないだろう。

アキーノ獲得の報には久々に球団のやる気を感じることができたが、外の球に手を出さずに我慢できるかが勝負であろう。三振率の異様なまでの高さはいまさら指摘するまでもないところだが、その割にはMLB通算でのIsoDが0.74とそれほど悪くないので、案外見るべき球は見送っているんじゃないかと期待したい。

コーチ陣の発表が大幅に遅れた割には、来季も落合がヘッド兼任のままであるなど、新味に乏しい印象で、裏でいろいろな人選を検討したものの希望の人材を引っ張って来れないままだったのではないかと想像されるところである。一部で観測気球が上がっていた清原の招聘が見送られたのは何よりであるが、PLルート以外で人を見つけることができていないのではと、ちょっと心配になる。

ただ、プレーをするのは選手であり、その起用法についてはこのストーブリーグの人事の結果として、旧来のレギュラーを切り、若い戦力でチームの骨格を作るという方針は明確となった。石川・鵜飼が怪我から復帰できることに全振りした戦力構成であり、賭けの方向性自体は合理的であるから、これが当たることを祈るしかなかろう。

あとは2000本目前の大島の処遇であるが、アキーノがよほど外れではない限り、もはや完全上位互換となった岡林によるリプレースを進め、両翼は大砲を置くのが定石であろう。内野も二遊間が小粒でHRが見込めないのであるから、いかに打率が高くとも単打中心の選手を外野に2名置く余裕はないはずだ。ここでさらなる非情な割切りができる監督であれば、来季の上位進出も見えてくるのではないか。さて、どうなる?

10月のふりかえり

今年もあと2ヶ月足らずとなった。

10月の休肝日は13日。遠来の知人夫婦を地元でハシゴでもてなしたりしたわりには、飲まない日もきっちり確保した。急逝した親しい同級の友人を偲ぶ会で献杯するという、言い尽くしがたい気持ちの一席もあった。

読書は1冊も読了せずという低調振りであるが、その分近県の低山登山や海浜でのキャンプ、近郊の植物園までの里山ハイキングと、外で身体を動かした1ヶ月となった。

映画は3本。

「ククルスドアンの島」はTV版での作画崩壊で有名なあのエピソードを意地で作り直した一作。エピソードの細部(連邦の作戦のあり方とかね)に破綻はあるが、今の技術でファーストガンダムを描いてほしいというオールドファンの夢を存分に叶える一作ではあった。ブライトがいい人になりすぎではあったが、たまにはこんな人情味を見せる場面があっても悪くはないか。

「昼下がりの甘いパイ」は、映画というよりは米国版2時間ホームドラマといった作りのラブストーリーで、アマプラなかりせば目にふれることもないであろう一作だが、配偶者を亡くした男女のリスタートの話としては悪くなかった。店舗の建築が一向に進まない点はご愛敬として、邦題のセンスのなさはなんとかならないものか。

ホテルローヤル」は既読小説の映画化であったが、こんな筋だったっけと読み返すと、原作の筋に相当に忠実な作りとなっていて、自分の記憶の風化ぶりに驚いた。一番違っているのが主人公のキャラクターで、演出上でも主役に対する遠慮があったのかしらんと思えてしまうところは残念だった。伊藤沙莉が最高に良かった分、波瑠が割を食った感じか。

さて、中日のストーブリーグの様子はなんともハラハラドキドキである。ドラフトでは素材型大砲の指名ができなかった点は残念だが、昨年とニコイチでとらえれば、野手はまずまず揃ってきたとは言えそうだ。問題は左の中継ぎと捕手の頭数である。アリマルを引き留め損ね、山下を切り、ついでに桂まで切った上に石橋が手術となった。桂が野球ができないほど故障しているならやむを得ないのだが、トライアウトに出るくらいなのだから、ファーム試合成立要員としての用には十分足りるくらいのコンディションは維持されているはず。育成でも捕手をとらないままであったからには、桂再契約か松井雅人の出戻りのいずれかを真剣に検討する必要があるだろう(編成の知恵のなさが露呈するので本当に恥ずかしいのだが、背に腹は代えられない)。

フェニックスでは鵜飼が大砲登竜門をくぐる6HRを放ったが、直後に怪我のために閉幕をまたずに帰名を余儀なくされた。体調さえ万全ならば、来期は本当に楽しみなのだが、今年と同様に怪我で戦線を離脱する時間が長いようだと、いよいよ火力の補強なしで来期を過ごすこととなってしまう。何とも心配だ。

コーチ陣の全貌もはっきりせず、京田のトレードも難航中のようで(替えるなら左中継ぎでだぶついている選手だろうと思うのだが、DeNAの捕手を狙っているようでは・・・)、フロントサイドの切れの悪さがなんともはやである。

中日という球団名の歴史には誇りを持ちたいのだが、こんな状態が続くと、興和あたりが買収してくれないものかと、半ば本気で感じざるをえなくなってしまう。

水面下ではきっちりやってましたよというところを、来るべき新外国人&コーチ人事の発表の際に示してほしいものだが、さてはて。