酒精雑記

飲む日も飲まない日も

君子豹変に拍手

昨夜の代打で初安打を放った根尾に、負傷の癒えぬ岡林を代走とした采配は、どう考えても不合理であった。延長の可能性を見据えたならより一層駒は大事に使うべきであるし、リード中の右翼守備固めと考えるなら根尾の守備力の方が上である。根尾のベースランニングもさして悪くないことを考えれば、走塁で手を怪我した岡林を無理に使うことはなかった。

そんな前日のもやもやを吹き飛ばしたのは、今日の根尾遊撃再コンバートの朗報である。1軍登録抹消の上で今日からファームで1番遊撃での出場となった。残念ながら今日の打棒は振るわなかったようであるが、これから5-10試合程度、遊撃守備の調整を行い、その間に京田よりも打てるところを示し、できれば連休後半には再昇格を果たしてほしいところだ。ただ、実際には多分もう少し中期的展望でファームにて調整を続けることになるのだろうとも思う。

外野手登録で開幕を迎えた今季である。見ようによっては朝礼暮改で根尾の育成が迷走しているようにも受け止められるであろうが、大島が絶好調で鵜飼と岡林が1軍レベルでやっていけるポテンシャルを存分に示し、アリエルのコンバートもそれなりにはまりつつある現在、根尾の1軍でのポジションはまさかのブルペン込みの便利屋以上のものではない。他方で京田はこのところは多少上向きであるものの、いつになく送球は不安定であるのに、ファームでは土田がここにきて壁にあたっており、新戦力星野もまだまだとなると、本気でその座を脅かすライバルが不在と言わざるを得ない。

こんな戦力の状況に合わせて早速手を打った首脳陣のレスポンスの鋭敏さは、このところの中日にはなかった君子豹変ぶりであり、その柔軟な姿勢には喝采を送りたい。与田政権下では郡司をはじめとして期待されるコンバートが遅々として進まなかったことと比較しても、チャンスを与えて試してみて、その結果を踏まえて次の手を打つというサイクルを回し続けることができる活力ある組織となってきたなあと、頼もしく感じる次第である。

無論根尾が遊撃レギュラーを奪取するためにはもうふた皮ほど剥ける必要はあるものの、このところは自分に期待される役割が見えなくなっていたはずであり、そこが明確になった今回の再コンバートである。競合ドラ1としての期待値との比較はさておき、前年前々年比では着実に成長を遂げている。今季後半には京田の尻に火がつくことを期待したい。