酒精雑記

飲む日も飲まない日も

『セブン・シスターズ』

昨日の酒量 スプマンテ1/2本、ラムレモンソーダ×1

昼にナポリピザで相方+αと1本空けてから昼寝、夜は映画を観ながらラムをレモン果汁と炭酸で割って飲んだ。

Amazonビデオのサイトで映画を選ぼうとすると自分好みの映画になかなか行き着けないような気がして、河岸をiTunesに替えてあれこれ物色してみると、見慣れぬSFタイトルが見つかり、視聴を開始した。

原題は”WHAT HAPPENNED TO MANDAY” だが、これが若干ネタバレ気味なので、これを7人イーブンの視点に誘導する邦題は悪くない。

ディストピア未来社会において7姉妹が1人の人生を共有していくという設定は素晴らしく秀逸だが、ディテールが雑なのは大変に残念だ。食糧難がベースにあるのに7人分のカロリーをまかなえるだけの食料を買い込んでいれば、30歳になる前にあっさりバレてしまうはず。冒頭の闇市で鼠チャーシュー?1匹を購入するにもIDを示しているのだから、購入情報を名寄せすれば総カロリーオーバーが判明し、あっさり手入れが入ってしまうでろう。また、乳児期の7つ子をおじいちゃんが1人で育て上げること自体が無理なのに、社会に伏せてそれを遂行できたというなら、その離れ業をきちんと説明する必要があったはずだ。アンネ・フランクの一家がひっそりとアムスの隠れ家で生きていくためには、相応の財産と献身的支援者が必要だった。本作でもこうした支援者の存在を書き込みつつ、その支援が、7人がそれぞれの異能を発揮ながら児童分配局の女性ボスを追い落とす力量を持っているからこそ得られている、というような展開が見たかった。八犬伝というか009というか、そんな話が好きなだけに、1人また1人と追い詰められた姉妹が命を落としていくのを見るのは、なかなかにつらいものがあった。

雨に濡れたタブレットや、掌に表示される接続画面といったギミックの造りは素晴らしいし、最初に家捜しされた際の家事炊事道具を用いたアクションのアイデアにはしびれた。佳作とは言いがたいが、捨てがたい個性を持つ映画ではある。たまにはこうした変化球も良しということとしよう。