酒精雑記

飲む日も飲まない日も

盆休みで一息

先週あたりまで次から次へと仕事に追われ、その間に溜まったあれこれについても今週のお盆在宅ワークで何とか目途をつけ、ちょっと一息つける状態となったので、備忘のためのまとめ書き。

 

7月の休肝日は13日。週の前半は殆ど飲まず、金・土で肉屋・魚屋・酒屋に出向いて宅飲みという習慣が根付きつつある。先日は魚屋店頭に並べてあった、裂き損ねた生鰻の特売品を1尾購入し、竹串を打って魚焼きグリルで白焼きにしたところ、パリパリこんがりの食感が家人にもいたく好評で、酒屋で仕込んださっぱり味の夏酒の4合瓶がするすると消えていった。

この間読書はあまりはかどらず、先月手にした隆慶一郎の『影武者徳川家康』は中の巻の中程で、二郎三郎と左近一派が糾合するあたりから、頁を繰るスピードが遅くなり、そのままとなってしまった。

気分を切り替えて手にしたのは、吉村昭『零式戦闘機』。戦後20数年という今から見るとかなり記憶も生々しかったはずの時代の作。太平洋戦争開戦前に日本軍が96式と零式で制空権を一時的に得ていた経緯を興味深く読んだ。

次に読んだのは『墨東奇譚』(本当はさんずいに墨の字)。先日書店で購入した後に自宅書架に同じ文庫本があることに気がついた。ということは読んだことがあるはずなのだが、再度頁を繰ってみてもほとんど記憶がないことが不思議である。荷風も中年男子向けのファンタジーと捉えられることへの自覚はあったようだが、麻布界隈から隅田川の東までいそいそと通い続けて、ふとこれを中断するという枯れた味わいは、青年期では生まれないものではあろう。このひねくれボンボンであるところに筆者が世に出たころの様子を知りたくなり『あめりか物語』をAmazonで発注した(がまだ届かない)。

少し前に買いためていた小説の中から、恩田陸の『木洩れ日に泳ぐ魚』を手にしたが、これは筆者作にしては珍しく肌合いが悪く、久方ぶりの出張の特急列車の車中にて、ほぼ読み飛ばしのような形での読了となった。

続いて三浦しおん『月魚』。町田を舞台としたかのベストセラー以上にあからさまなBL仕立てとなっており、何とも戸惑うのだが、あざとく見えて案外に読み応えのある物語であった。おまけのような第二編の印象も鮮烈で、油断がならない書き手だなあと思う。

映画も7月は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』を観た程度。デカプリオとブラピによる、少し時代を遡った『バードマン』のような映画かと思い込んでおり、シャロン・テート事件の予習を怠って観てしまったため、何とも消化不良であった。

中日は8月に入って先発の踏ん張りもあって何とか五分の星を残しており、カタストロフには至っていないが、打撃の指標は12球団の中にあって異次元の様相が続いている(http://www.baseball-lab.jp/league/)。

目も当てられない惨状とはこのことで、平田とアルモンテの復帰で潮目が変わればよいのだが、ゆがんだパークファクターの本拠地を背景に、この10年野手の編成がいびつで有り続けた結果でもあり、トンネル脱出はそう簡単ではあるまい。

根尾は2軍で無双の活躍を見せたが、1軍としてはまだまだ課題が多いようで、3カード同行の後に2軍落ちとなった。それにしても、もう少し丁寧な使い方はできなかったものだろうか。外野守備で光を放って気が楽になったときに、打席を与えず交代となるなど、首をひねる使い方も目立った。うむ。

不思議なことに、独走を続ける巨人に対してはこのところ善戦している。優勝は夢のまた夢だが、せめて今季は首位いじめで名を馳せて欲しいところだ。