酒精雑記

飲む日も飲まない日も

フェニックス回顧

11月下旬まで仕事に終われまくったが、今夕は忙中閑あり(でも年内にやるべきことは山積み)というエアポケットに入ったような時間を得たので、久方ぶりの記事を書いてみる。

もともと酒量を記すために始めたブログだが、手帳に書き込むようになってから、とんと細かいことをここに書くことがなくなってしまった。ただ今月も10日以上休肝日があるという節制生活が続いている。外で人と飲む機会が全くなくなってしまったため、自身の飲酒の習慣もいよいよ変容してきたのか、週末に家人と飲む酒量もこのところ減少傾向で、ワイン1本が空ききらないという我が家では空前絶後の現象も出現するようになった。まあ、悪いことではない。

読書もこのところ本を開く気力も萎え気味であったため、『砂漠の空から冷凍チキン』はプロローグのところから先に進んでいない。あまりに進まないので買いためてあった吉村昭の『天に遊ぶ』を先に読んでしまった。実は短編小説を書くことが好きという著者あとがきはとても意外であったが、やはり氏の真骨頂は実録長編であり、掲載されている短編の中でも、フィールドワークの風景を切り取ったものの良さが目立つように感じた。

映画も、ほとんど時間がない中でなんとか『さよならくちびる』からのつながりで『ここは退屈、迎えに来て』(原作既読)を観たという程度である。大店法規制緩和がもたらした街道筋の粗雑さを横目に延々とドライブしながら話が展開するところは、地方生活のリアルを感じさせるが、なかなか鬱なものがある。主役の橋本愛にもう少し見せ場があってもよいように思うが、そうでない役回りであることに意味がある以上、そこはやむなしか。地方女子の屈託がテーマの映画だが、男性陣である成田淩と渡辺大知と村上淳が、それぞれ持ち味を出していて良い感じである(あと、遠藤の人と通りすがりのロシアの人もね)。

さて、このところストーブリーグになるたびに悪目立ちする中日である。大野の残留の良い空気を一掃した球団代表のメディアに対する立ち振る舞いには、やはり猛省を促したい。コロナで観客が激減したシーズンであり、給料を上げるのは難しいことはわかるし、交渉にはドライな要素がつきものであるが、それにしたって人気商売である。外向きには言い方ってものがあるはずだ。

来期に向けて一気にブルーな気分となってしまったが、11/29に終了したフェニックスリーグの数字を回顧しておく。

勝敗にこだわる場ではないとしても、冒頭の3戦零封が尾を引いたか、6勝10敗と大きく負け越してしまったことが、まず残念であった。

打線で合格点と言えるのは、44打数13安打8四死球で4割近い出塁率を残して持ち味を発揮した郡司と、最終戦まで5試合連続安打を放ちOPSも.7を越えた岡林の2人。石岡もOPS.7超えで何とか及第点とは言える成績ではあるが、彼の立場からすると.8台に乗るような爆発的活躍を見せて欲しかった。

期待の根尾は1軍終了後の合流緒戦で会心のHRを場外に飛ばしたが、これがかえって調子を狂わせたか、打率は2割に乗らず、安打9に対して三振13という結果に終わった。結果を求めず様々なトライを重ねている途上の結果であるものと信じたい。オフのトレーニングは平田に同行せず、大島道場に入門するとのこと。できることなら同じ左打者から学んだ方がよいはずと思っていたので、これは福音であろう。

投手では、相変わらずコントロールの不安はあるものの、優れた奪三振能力を発揮した清水が来季への大きな希望となった。かつての暴れ馬中田賢一のような成績を残してほしいところだ。あとはサイドスローに転向したヒロシが、外に逃げるスライダーに活路を見出したような気がする。まあ、そんな気がするだけかもしれないが、このままではあまりに寂しいので、今年の福谷のようなブレイクがあったらなあと、淡い期待をここに語っておくことにする。うむ。

あとの楽しみは、キューバルートからであろう新外人とライアン小川のFAの動向である。大野の男気に応えるためにも、何とかこのあたりの補強くらいはしてほしいところであるが、さてどうなるか。

 

 

来季への展望

若手を出さないなら、いっそ二桁の貯金をと願ったが、そこまで問屋が卸してくれることはなく、ドラフト時の2位から1つ順位を下げて貯金5の3位でシーズンが終了となった。いささか残念ではあるが、7月ころのカタストロフからよくぞここまで立て直したものだ。最終戦も根尾が先制の糸口となる右前打を放っての勝利を上げており、最良のエンディングとなった。

ストーブリーグ最大の懸案であったFA戦士大野の帰趨は早々に決着を見た。来季編成に影響を与えないという配慮からも、大野が本気で中日を優勝させるつもりであることが感じられた。ファンのハートを痺れさせるコメントとともに、与田ドラゴンズ集大成の年に向けた最高のプレリュードとなった。

フェニックスは3試合連続完封負けでのスタートとなったが、今日は岡林の活躍もあって初勝利を挙げたようだ。石川昂弥の不在が気がかりだが、来季の戦力として名乗りを上げる選手が必ず出てくるはず。特に今季終盤にいろいろな意味で話題の中心となった滝野には、(守備はともかく)打席での謎のミート力を存分にアピールしてほしいところだ。そしてようやく出場しつづけることができる身体となった石岡には、豪快なスイングでHRを何発もたたき込むことを期待している。

今季完全に一皮剥けた福谷・祖父江・福・キノタクや、ブレイクの気配を感じさせた松葉・勝野らに続いて、主力に名乗りを上げる選手が続々と現れることを祈りたい。

 

お祓い完了

CSも無ければ来季開幕試合とも関係しないが、ともかくは久々のAクラスへの復帰となり、ようやくお祓いが完了した。7カード連続勝ち越しの勢いのあったころは、Aクラスは楽勝ムードだったが、まさかの6連敗で4位と0.5ゲーム差まで詰め寄られた土壇場からの直接対決でのDeNA3連勝という劇的な展開であった。福がマウンドで男泣きするほどの産みの苦しみを経た分、ヒリヒリした試合をまるで経験したことのなかった現レギュラー陣の大半にかけがえのない経験値がもたらされたことを、素直に喜びたい。

他方で、新戦力お試しの余裕が全くないままの期間が続いてしまい、残り2試合となった本日になって、ようやく石垣と根尾が先発に名を連ねることができた。根尾は調子を下げた状態での昇格であり、控え扱いもやむなしではあったが、10月の石垣の使われなさぶりは、本当に不可解であった。そんな扱いですっかり打棒も冷えてしまったかと思いきや、試合感を取り戻すために出場した2軍戦では本塁打を含む長打をかっとばしている。それなのに大負けの試合の代打ですら登場しないという地蔵状態には、理不尽さすら感じざるをえなかった。

今日の石垣には、この間の鬱憤を思う存分晴らして、吉見へのはなむけとしてほしい。単なる消化試合では張り合いもなかろうが、まだ2位争いが続いている大事な試合だ。阪神にプレッシャーをかける大切な試合をもぎ取る豪快なスイングを石垣には是非期待したい。

左のスラッガータイプという穴について

昨日のドラフトは球団の意図したとおり1位で高橋宏斗を単独指名で確保した。本来の補強ポイントは近大佐藤であったが、一旦決めた方針で思惑どおりとならないと、2位以降の指名もいよいよ迷走してしまったはず。甲子園で使い減りしていない高校ナンバーワン投手というのも希有な存在だ。まずは何よりである。

大型打者不作の年と見切ったか、育成も含め、佐藤と重なるようなタイプの野手の指名はないままとなった。6位の社会人三好大倫は、打者に転向してそれほど日がたっていない左打ちの外野手である。180cm・85kgとまずまず体躯にも恵まれているようで、伸び代があることを期待したいが、動画を見る限り大砲の雰囲気はあまり感じられない。

今回補強できなかった分、現有戦力から穴を埋める選手を出すことが急務である。左スラッガータイプとしてのロマン枠にギリギリ座り続ける石岡は、このところファームで打撃好調のようで、過去と比較しても充実したシーズンを送れたようだ。野手の控えが少ないことからしても、なんとか生き残れたのではないか。支配下の枠がパンパンな状況なので、引き続き厳しい状況は続くが、石岡には、願ってもないチャンスであるからして、何とか来春過ぎには支配下に戻ってくるような打棒を見せて欲しいところだ。

 

さよならくちびる

さすがに今日の神宮でのヤクルト戦は小休止ということで、お試し戦力が実戦に投入される良い機会となったようだ。マルクは打ち込まれたようだが、滝野はプロ初ヒットおめでとう。しかし、こんな日でも石垣を全然使わないのはなぜだろう?中京高橋無念の進路変更のあおりで中日が近大佐藤を指名する可能性がほぼ消滅した今、左右の違いはあれど、同年代のスラッガーを自前で育てることは、いよいよ急務であるはずなのだが・・・。

そんな今夜はラジオ観戦はお休みとし、家人の留守中に門脇麦小松菜奈のギターデュオ映画を1人鑑賞した。映画と音楽は切っても切り離せない関係にあるものの、音楽ステージを映画のメインストーリーに組み込むのは案外難しく、張り切って作ったものの駄作に終わりかねないリスキーなジャンルである。本作の世評の良さは知っていたのでハードルを上げすぎるとがっかりするかもしれぬと警戒しながら見始めたが、歌詞の力もさることながら、絵で語るシナリオとロケハンが抜群であり、ローディ成田君の絶妙な役柄も相俟って、ぐいぐいとラストまで引き込まれた。

それだけにラストのお遊びはいただけないと感じるのだが、ぐるぐる三角なところが主題の本作ではギリギリ許容範囲なのだろうか。うーむ。

どうせなら

10/2に持ち上げた渡辺勝が体幹コンディション不良で2軍に落ち、爆発的な勝利には期待できないと書いたら、チームの状態は落ちることなく神がかり的7連勝を遂げた。なんだか達川ばりに書いたことが裏に出るような気がして、連勝中は前向きに書きたいことがたくさんあったけれど、ちょっと我慢した。

で、昨日で一旦連勝は途切れたものの、3本打ち込まれた清水も持ち味はそれなりに発揮してイニングを喰ったとは言える投球だったようで、滝野の初打席や木下・マルクの登板など、石垣に打席を与えていない点を除けば、負け試合なりにやるべきことをやっているというところではある。

しかし後ろも2ゲーム差という距離の詰まり具合であり、残り試合もこのまま真剣勝負モードとなった場合、ファームの若手を使える機会は非常に乏しいということになりそうである。特に大島は最多安打に手が届くところまで猛然と追い上げており、このままいけば最終試合まで他の選手の出番はなさそうだ。

・・・であるなら、いっそのこと貯金二桁まで狙って欲しいところである。

残り17試合で11勝5敗1分。ハイレベルだが打線の調子さえ落ちなければ、手の届かない数字でもない。是非そんな感じでフィニッシュに向けて走りきってもらいたい。

(ああ、書いてしまった)

ショート石川昂構想

今日のファームでは石川昂が6番遊撃で先発した。不動の4番からあえて外して京田と重なる守備位置を試したところに、首脳陣の本気度のほどがうかがわれる。

今日の試合での守備面がどうだったのかは現時点で情報がないが、打つ方では3打数3安打と大活躍である。おそらくはあと数試合遊撃守備を試した上で、そろそろ巨人が優勝を決めるだろう1週間後あたりで、1軍昇格・即日遊撃先発となるのではなかろうか。

ルーキーイヤーと思えない今季の充実ぶりを見ても、石川昂を来季の1軍主軸打者の1人として使うことはおそらく既定路線のはず。周平を2塁へ動かすか、石川に外野を経験させるかのどちらかであろうと踏んでいたが、もっとも打撃の弱い部分との置き換えを、この秋のうちに一度試しておくというシンプルかつ大胆な発想には心底驚いた。もっとも、サード周平を柱に据えた上で、打力で勝負できる面子で打線を組むという構想には、確かに一定の合理性がある。セカンド根尾・ショート石川昂・サード周平(そしてセンター岡林&捕手石橋)という配置が、数年後を見据えた首脳陣の青写真なのであろう。

さて、渦中の京田が、これをどう受け止めるだろうか。要するにおまえが打てないからさ、という首脳陣からの強烈な尻叩きである。なにくそと発憤し、石川昂をレフトかライトに追い出すくらいに打撃面での新境地を見せてほしいところだ。

残り試合の京田の打棒から目が離せなくなった。

 

追伸

今夜ヒットはなかったけど、周平サヨナラHRは京田の四球から。なんだかチーム状態が神がかってきた。

 

 

 

不動の野手陣に展望はあるのか?

8月6日に借金9に達した後、8月23日までに一旦完済間際までの回復力を見せたものの、そこからの壁は厚く、打線が湿れば下降線を辿り、9月17日には借金7。紆余曲折はあったものの、そこから1ヶ月を要することなく、ついに昨日で借金完済となった。

大野・福谷という左右の2本柱が立ったことと、7回以降は大福丸ならぬ福輔丸という並びが確立したことが、望外の原点回帰の原動力となった。しかし、裏を返すと打線が牽引した形となっていないため、残り試合で爆発的にジャンプする気配までは感じられないのも正直なところだ。

残り20数試合を残して、今季の周平と大島は及第点の活躍ではあるが、他のチームの大黒柱のバッターと比べると、やはり華奢な印象は否めない。

ビシエドは不思議に打点こそ積み上げているものの、不振の期間も長かったし、シーズン当初のHR量産の気配はどこかへ霧散してしまった。

実質2シーズン目の阿部は目下チーム日本人HR王&打点王で、守備も相当に手堅いのだが、やはり不振の期間にはレギュラーから外れることもあった。10本のHRを打っているのにOPSが.7台に届かないというのも、なんだかおかしな話だ。まだまだチームの牽引車というところまでの働きとは言いがたい(昨年だけのフロックじゃなかったことは一応証明できているので、ギリギリ及第点か)。

正捕手の座を固めたキノタクはこのところ天晴れの打棒を披露しており、先日の清水初勝利に導いたリードでも、フレーミングの巧さが光った。ようやく頭角を現した彼が、野手陣では今季最大の収穫だが、シーズン当初はどんぐりの背比べが続いたので、来季には期待するが、今季全体で見た場合には、まだまだというところか。

平田・福田は戦線離脱、ファームで無双の渡辺勝も1軍では一瞬のチャンスを掴みきれず2軍落ち(先発機会が1試合だけというのはさすがに気の毒だった)、守備では魅せる京田も出塁率は3割に届いていない。遠藤・井領・溝脇も、時折脇でいい味を出しているが、レギュラー奪取を予感させるような勢いはない。

そして期待の石垣は、何と10月4日以降、まるで出番なしの地蔵役に甘んじ続けている。首脳陣が彼を単なる試合成立要員としてしか見ていないのであれば、何とも不可解である。

望外の完済がゆえに、シーズン終了までに貯金を残すというミッションが与えられてしまった今、巨人の優勝が確定した後も、このところの不動の面子で勝ちを拾いにいくの日々が続くのだろうか。

確かにファンとしてもさすがにもうBクラスはいやだし、貯金を残して来季への展望を明るいモノにしてほしいという気持ちはある。しかしCSなきシーズンにおいて、残り試合での貴重な若手育成の機会を生かさずして、今後の躍進がありうるのだろうかという疑問も尽きない。アルモンテ・シエラは頼もしいのだが、外人3人に頼る先発ラインナップをみると、なんだか寂しい気持ちもするのであった。

とにもかくにも今季は御祓優先と割り切るしかないのだろうかなあ・・・。

 

渡辺勝の覚醒はどうやら本物らしい

ファームで抜群の打撃成績を残した渡辺勝が先月末から1軍に昇格した。動画でプレーを見ることができていないが、さきほども、乱調の先発清水の代打として安打を放ったようで、これで、いずれも途中出場の3試合の3打席で3安打と気を吐いている。すさまじい成果を上げていながらなかなか昇格できない時期が続いていたが、打棒が冷める前には昇格できたということのようだ。

シエラを昇格させて両翼を外国人で固めているので、先発出場はなかなか難しい状況が続くと思われるが、代打&外野守備固めの一番手という役割を掴みつつある。

対照的に期待の石垣がこのところベンチの置き地蔵状態で何とも不憫ではあるが、少ないチャンスをものにする先輩野手の背中から多くを学んでほしいところだ。

 

使って育てる

そろそろナゴドで阪神戦が始まる。一時の上げ潮感はどこへやら、打線が湿るとてきめんに黒星が積み上がるという何度か目のスパイラルに入ってきていることを感じさせる広島での闘いぶりであった。

今日のスタメンは平田を後ろに下げたが、2番に上げたのはこちらも低調な打棒の続く京田である。過去6試合で2割3分そこそこという低空飛行ぶりだ。攻撃型布陣とするために、石垣を遊撃7番あたりで先発させて、とにもかくにも1日3打席くれてやるということがあってもよいと思うのだが、カード替わりの本日も、そういう発想には至らなかったようだ。

仁村二軍監督曰く、石垣にはまだファームでやることがあるとのこと。確かに先日の打席での外角変化球空振り連発のスイングは、いかにファームで好調であったとはいえ、1軍レギュラーを奪う男の姿からはまだ遠いように感じたことも事実だ。しかし、数試合で1打席、しかも抑えの一流どころの初見の球を打てというのでは、チャンスを与えていないに等しいのではないだろうか。

巨人が走り続ける今季の残り試合である。力のない若手を無理に使えとまでは言わないが、今年に限っては、自力で成績を上げて這い上ってきたホープがいるのだから、もうちょっと使って育てることも視野にいれてもらえないものだろうか。