酒精雑記

飲む日も飲まない日も

今日も繋いだ皮一枚

今日の巨人との練習試合は、1番レフト岡林、2番ショート根尾、6番ライト三好、7番サード石垣と、1軍で使われるならこんな感じという役割に近いところにはめ込んだ起用に目が止まった。試合は僅かチーム3安打の零封負けで、4番手清水痛恨のソロ被弾が決勝点となるという寒い展開であったが、根尾が岡林に続く右前打を放ち、一日一善という最低ノルマは何とかクリアしたようだ。

動画を見ていないのでクリーンヒットだったのかどうかはわからないが、これで3試合連続安打となり打率は.381。HRや打点がないこともあって、レギュラーをもぎとる勢いとまではいいがたいものの、守備面でも大きな破綻はなく、京田のみぞおちをヒヤリとさせるくらいのポジションで何とか挑戦権は維持している。雨天中止が挟まる中で、なかなかしぶとい。

次戦あたりからは京田も出てくるはず。打席数も減ってくるが、そんな中でもう一度マルチ安打か長打を放って強烈にアピールしてもらいたいところだ。

根尾の首の皮

紅白戦で安打のなかった根尾にとって、DeNAとの練習試合は、4タコだったりすると早々に1軍戦線からの離脱が迫ってくるという何ともしびれる試練の場であった。2ゴロと紙一重のコースヒットではあったものの、最初の1本が出て気分がほぐれたか、レフト線2塁打とセンター前に合計3本の安打を放って得点も記録し、何とか首を繋ぐ結果を残すことができた。

ぐっと乗ってきた翌日が雨天中止でこちらはツキのなさも感じられるが、中2日空いた格好での今日の日ハム戦。お世辞にも良い当たりとは言えないゴロヒットで出塁すると、最後は新星三好の左前タイムリーでホームに戻り、この日チーム唯一の得点を記録した。

むしろセカンドライナーに終わった打席の方が内容は良かったが、ともかくは3試合で4安打。大本営は2戦連続安打という見出しで煽っているが、実際はかろうじてギリギリ踏みとどまったというレベルの立ち位置だ。次戦で長打かタイムリーを含んだマルチ安打というくらいの活躍がないと、いかに今後登場する京田が貧打にあえいだとしても、打力で差別化をはかれる選手だという印象は残らない。

首の皮1枚がつながった状態で、ギリギリの闘いは続く。

それゆえファンとしても目が離せない日々が続くのだが、これをYouTubeで生配信されると本当に仕事に差し障るので、困ったものだ。

 

 

若手の躍動と苦悩と

平日日中であるのに、昨日の紅白戦をほぼリアルタイムでYouTube観戦したことは、あまり大きな声で話すことでないだろうが、記事を書きたくなる展開ではあった。

柳の仕上がりは申し分ないので、一昨年の活躍がフロックではなく、今年こそ軸としてのフル回転が期待できることを確信した。

球速が不明のため、まだ確信は持てないが、笠原もずいぶんと復調したように見える。伝家の宝刀チェンジアップの切れ味は素晴らしいので、ストレートが本当に伸びているなら、ローテ谷間の役回りで渋い活躍を期待できるのではないか。

小笠原も背水の陣であるがゆえの凄みを感じさせる投球であったが、球は浮き気味であった。ただ、キャンプを通じて調整が進めば、今年は行けるかもしれない、という期待は十分感じられた。

個人的にはローテ4番手でフル回転を期待している勝野が今ひとつピリッとしなかったところが気がかりである。

さて期待の若手野手陣であるが、早くも明暗分かれるところが出てきており、目が離せない。

石川は笠原の決め球をきれいに左中間にすくい上げてのツーベース。サード守備ではショート三ツ俣へのグラブトスという珍プレーを演じており、まだまだ課題は山積みだが、打撃技術面では何も心配はないところまで仕上がっている。すごい。つまったかと思われる打球でもおどろくほど伸びていく。今年は300打席くらいもらって、チーム成績にも相応の貢献をすることになるだろうと予想している。

岡林もセンス溢れるスイングで犠飛を軽々と放ち、早くも結果を出した。

石橋も守備面では盤石とは言えないものの、打席では痛烈な左翼線2塁打を放ち、火力の強さをアピールできている。

石垣は打席で結果は出なかったものの、浅村に学んだ結果を習得中であることを強く感じさせる雰囲気をまとっており、守備では大きな見せ場も作った。

いずれも楽しみである。

さて根尾君である。第1打席の初球打ちは、低めの難しい球にあっさり手を出したという形となっており、積極性として評価することは難しい打席内容と言わざるを得ない。思ったほどは縮こまっておらず、振り切るスイングは健在であるし、タイミングの取り方も、昨年秋とは違うやり方だが、無駄な力が入っていない柔らかさがあって狙いは理解できる修正との印象は受けた。しかし、遊撃勝負を挑んだ以上、もはや内容で評価すべきステージではない。結果を出すことが最低条件である中で、他の若手の躍動を横目にしてのこの結果は、本人としても著しく不本意であろう。初戦で1本出るか出ないで気分の乗りも大きく違ってきたはずで、そうした星回りにないところも、何とも心配である。君の苦しむ姿はみたくないので、何とか早く安心させてほしい。

なお、もはや若手ではないものの、昨季後半に怪我で大きなチャンスを逃した渡辺勝が元気な姿でプレーできていることを知った。野手陣の怪我人が少ないのは本当によいことだ。一本足の上げ方も、昨季とは少し変えてきているようで、荒川道場スタイルを少し変化させてきたように感じた。そうした工夫が奏功して、昨年のような無双の打撃を魅せてほしい。

戦力展望

沖縄キャンプも第2クールで今日は紅白戦ということのようだ。現実を知らされる前の一番楽しい時期だったりするが、たいした補強もない中であるのに、戦力的には期待値が膨らむばかりだ。

先発はエース大野雄に続く左腕が薄いところに難はあるが、ローテ6人の名前を無理なく上げることができるのは素晴らしいことだ。皮算用してみると、大野雄+福谷+柳で65先発30勝、ロドリゲス+梅津+勝野で43先発25勝、小笠原+松葉+清水+山本拓+笠原+岡野で35先発12勝として先発合計67勝。中継ぎ・抑えで11勝を積み上げれば78勝で優勝ラインが見えてくる(なお、このラインナップを押しのけて山井が今季先発する姿は想像できなかったので第3グループにも名前は挙げなかった)。

143試合制だった時期を振り返ってみると、2019年の先発陣は、こんな感じ。

柳25先発(11勝)・大野23(9)・ロメロ21(8)・山井13(3)・清水8(2)・笠原8(3)・小笠原7(3)・山本拓7(3)・阿知羅7(1)・梅津6(4)・吉見5(1)・勝野3(1)・又吉2(3※ただし先発じゃないかも)・松坂2(0)・福谷1(0)・佐藤1(1)・松葉1(0)+救援陣15勝=68勝/73敗2分

20先発超の3人に続く投手の軸が定まらないと、勝ち越しもおぼつかないところだが、今季はロメロの分を福谷がカバーできるはずで、山井・清水・笠原だったところがロドリゲス・梅津・勝野に変わると考えると、チーム力の差は歴然だ。しかも、尻に火が付いた小笠原の復活や清水の台頭、松葉いぶし銀の活躍というあたりも期待できる。いい。とてもいい。

一方救援陣は、なかなか前途多難だ。とにかくライマル抜きでどこまで頑張れるかがカギであろう。祖父江は今季もそれなりとして、福は昨年後半のもたつきを見ると、期待はすれど盤石の信頼を寄せられるかというとどうだろうか。又吉が例年どおりで、谷元もまずまずだったとしても、岡田・藤嶋に大きな伸びしろは感じられない。橋本あたりについてもさしたる噂が流れてこず、貴重な左の濱田達郎はなんとブルペンでの捻挫でキャンプ離脱と何とも厳しい状況である。新戦力森博人の救援配置が大当たりとなるか、ヒロシが謎の復活を遂げるか、木下・マルクあたりのパワー系投手が急成長するかといった、想定外のプラスアルファがないとかなりキツいのではないか。

阿波野コーチは大胆な配置換えも考慮中のようで、小笠原が後ろに回るという観測もあるが、左の先発の薄さからすると、可能性は低いのではないか。個人的には、山本拓が中継ぎに回る可能性があるような気がしている。さてどうなるか。

石垣は浅村弟子入りの効果が出てきているようだが、守備で1塁・3塁が中心だと出番の獲得は難しいか。外野陣では岡林・三好の評価が高いが、期待される大砲タイプではない。根尾は昨季後半に固まりつつあったように見えたフォームを立浪臨時コーチにかなり大きく手を入れられいる最中で今暫く時間がかかりそうだ。石川は少し見ない間に一回り身体が大きくなっており、ますます楽しみであるが、やはり内野では当面出番が限られてしまう。

平田が怪我をしない限りはおそらくライトに空きはないはずで、今、新レギュラーを狙うにはともかく左翼であろう。そうであるのに、期待の野手がいずれも別のポジションをメインとしており、今後どうなっていくのか予想がつかない状況である。郡司が外野兼任となったらあっさりポジションをさらっていくのではないかと想像しているのだが、捕手の人数のやりくりを考えるとこれもなかなか実現しがたいかもしれない。

ということで、野手先発は平田の復帰以外は昨年後半のまま、レフトは福田・遠藤・井領あたりで帳尻を合わせた開幕ラインナップになるような(良くない)予感がする。キャンプを通じて、有無を言わせぬ打力を示す新戦力が出てくることを祈りたい。

 

『軍中楽園』と『キング・オブ・コメディ』を観る

忙中閑あり、土日で映画を1本ずつ観た。

昨日観た『軍中楽園』は台湾防衛の最前線である金門島に1990年ころまで実在した軍の慰安所に配属された若き兵士をとりまく群像劇。戦争ものということもあって、主演がなんだか永島敏行に重なって見えた。レジーナ・ワン演ずるヒロイン(クールでとても魅力的)との関係が何とも不格好で無残な別れに至るところも、安直じゃなくて良かった(あの場面でのあの発言はヒトとしてアウトだ)。ラストは1組目と2組目の写真でおやっと思わせた後の3組目で、実はいずれも非現実であることを明示しており、ここも安きに流れていなくて良い(潔い分、とても淋しい結末ではあるけれど)。難しい題材であるし、おそらく現実の悲惨さは掬い切れていない部分もあるんじゃないかと思うので、評価が難しいところはあるが、複雑な台湾の民族事情を背景として、「対岸からの砲撃は月水金のチラシまき」というファンタジーな戦場の片隅にきれい事だけではない「楽園」が実在したことを丁寧に描いた佳作と感じた。

今日は『キング・オブ・コメディ』。終始サイコなハイテンション。デ・ニーロ以上に相方?の女性のやばさよ。多分日本人だからこそ、アメリカンジョークのなんともアメリカンジョークなところを愛でることが可能であるがゆえに、業の深い空虚さをより堪能できるという映画かもしれぬ。こちらの映画では、ラストが非現実なのかどうか議論が尽きないようであるが、製作当時の意図はともあれ、今や炎上商法全盛の21世紀である。今、これを幻想シーンとして観ることは難しかろう。

『白い航跡』(上・下)

長らく上巻の途中で読みさしとなっていた吉村昭による高木兼寛の評伝を、あらためて最初から読み直し、今回は最後まで読み終えることができた。『蚤と爆弾』の世界に至る医学と軍の関わりは、日本の近代医学の出自が戊辰戦争の戦傷治療に端を発し、以後も綿々とつながっていることを良く理解できるストーリーであった。『彰義隊』や『ポーツマスの旗』と交錯する場面があるところもとても興味深い。終わりの数ページでさらりと触れられた晩年の兼寛の姿には老醜の香りが漂い、なんとも切なくなる。

年の瀬に

晦日ではあるが、例年以上に年の瀬感の乏しい年の暮れとなった。今年はカレンダー的にはクリスマスで仕事納めとすることも目論めるはずだったのだが、結局のところむしろ世間では御用納めとなった後も仕事の打ち合わせを入れることとなり、昨夕までべったり仕事モードというていたらくであった。

とにもかくにもようやく年内の仕事には区切りを付けたので、今月半ばには購入済みであった新しいノートパソコンへのデータ移行作業をレコ大を見ながら開始した。この十数年はレッツノートを使い続けて来たが、このところなんだか妙にパナソニックは高級ブランド化路線に走っており、欲しい機能(とにかく大きなストレージ)をカスタムで付けようとするとべらぼうな金額となるため、ついに見切りをつけけることとした。

で、BTOメーカーのサイトをさがしまくった結果、LGのgramにSSDを詰めるだけ詰むことに決めた。DVDドライブが別付けとなるのはもはややむを得ずとしても、グレアの画面に耐えられるのかは確証が持てなかったため、先にミニマム構成の1台を家人専用機の何年かぶりのリプレースとして購入。これに反射防止フィルムを貼って試してみたところ、ノングレアのディスプレイと遜色ない状態になることが確認できたため、仕事用のてんこ盛り構成にしてもう1台購入した次第である。

キーボードはカーソルキーの小ささにまだ面食らっているが、おそらくこれは慣れるであろう。ホイールパッドは便利だったので、タッチパッドで似た様な操作(カイラルモーションというそうな)を実現できないか、あれこれ調べてみたがわからず、3本指タッチでマウスホイールを出して連続スクロールする方法で当面は代替してみることにした。大型のパッドが正中からやや右に設置されているので、右手の親指の腹のところがパッドの右上に触れそうでなんだか落ち着かないが、これも慣れるしかなかろう。USB経由で充電できるので、汎用性のないACアダプタをいくつも買わされるというトホホ感から解放されたのは良いことだ。ついにHDDにも別れを告げることとなり、これでPC内で回っているのは冷却ファンだけとなった。バッテリーの持ちも良さげであり、筐体も底面積は若干増えたがその分薄くなり、重量も多分1割程度軽量となったはずで、多少の使い勝手の悪さは、こちらのメリットをとったということで甘受しようと思う。

ついにMSOfficeも2019に更新し、ついでにIMEATOKをPassport版にしてみたので、使い込んだ辞書の引き継ぎもあれこれ苦労せずに済み、ついでにスマホでもATOKを使えるようになった。その分サブスクでずーっと料金が発生するのだが、日本語を使う上での税金と理解することとした。

レコ大開始から始めた旧PCのHDDから外付けSSDへのデータ吸い上げが10数時間経過してようやく終わりそうではある。この乗り換えの手間を考えると、すべてクラウドにデータを預けてしまう誘惑にかられるのだが、仕事のデータをどこからでも読めるところに置くだけの決心は今回も付かないままとなった。

このデータコピー完了を待っている間に、来期の中日の戦力展望などをつれづれにまとめておく。

ライアン小川のヤクルト残留も決まり、新外人追加のサプライズがなければこれで来期の中日の陣容も固まったということになる。与田監督3年目で大型補強せずというのは、球団としてつなぎの監督と考えていることの裏返しとは思われる。

もっとも、ベテラン代打とかつてはホープであったパワーヒッターを1人ずつ獲ったのは、補強のポイントとしてはズレていないし、コスト面でも了解できる範囲である。芽の出てきた若手野手陣にフタをしないという選択をしたのだから、来季は根尾・石川・石垣・岡林らが、即レギュラー奪取とまでは行かずとも、その兆しを十分に示す程度には飛躍を遂げてもらいたいところだ。

捕手では木下が抜け出してアリエルも控えているため、郡司は打棒優先で外野守備もトライしてみてはどうだろうかとも思う。

今年のレギュラー野手陣では、とにもかくにも京田が打てるようになれば大幅に戦力アップが実現できるのだから、頑張ってほしい。秋になってバットを寝かせたスタイルで新境地を開いたように見えるので、何とか2割8分で出塁率3割2分くらいの成績は残せるのではなかろうかと、期待含みで書いておく。

投手陣では、福谷が腰を痛めたりしなければ、大野とともに左右の柱は確立できているので、あとは柳・梅津・勝野・ロドリゲス・清水の5人の中から二桁に近い勝ち星を挙げる投手が2人出てくることが不可欠だ。何となくではあるが、来季は勝野と清水がやってくれるのではないかという予感がしている。

リリーフ陣はスライダーに加えてシュートをモノにした祖父江は来季もある程度計算ができるのではと思われるが、福は今季終盤の様子からすると今季並の活躍を期待するのは酷かもしれない。その分橋本あたりが台頭しないと、手薄な左リリーフの命運を新外国人に目をつぶって託すというおそろしい状況となってしまう。おそらくこのあたりが来季のカギになるのではないか。ライマルが中日にいてくれる来年が久方ぶりの優勝のチャンスであることは間違いないので、今季1軍半であった投手陣の奮起を期待したい。

そして一番のカギはベンチの首脳陣である。三ツ間の一件以上に、昨季のベンチワークではファームで調子を上げた選手の勢いをそのまま1軍の試合に繋いでいくという勇気が欠けた場面が見受けられたのは残念だった。重厚長大な戦力を抱えているわけでもなく、三軍から這い上がってくる選手がいるわけでもない中日は、現有の選手1人1人を丁寧に育てることが必要で、そのためにも、1軍と2軍の間で上手に選手を循環させていくことは不可欠の営みである。この点で与田・伊東コンビが成長を示すことが最大の戦力アップであると思う。2年の熟成期間を経た滋味溢れる采配を期待したい。

最後に12月の酒量について。ついに忘年会なるものが一切ない師走となり、順調に休肝日も12日を重ねた。不要不急の宴会に対する郷愁の念は尽きないものの、そうした習慣から実際には遠ざかり続けると、かねてほどの勢いをもって飲みに行きたいという気持ちが溢れてこないのもまた事実である。新型コロナ禍での体質の変容を淋しくも実感する年の瀬となった。

 

 

 

 

 

ライアン小川

どうやらヤクルト小川がFA宣言しそうである。さて中日は小川を獲るべきか。状況を整理してみる。

小川は狭い神宮を本拠としながら毎年100イニング以上を確実に投げてきた。K/BBも3を超えており大変優秀である。今季の対中日以外の防御率は不良だが、ナゴドを本拠とした場合、おそらくシーズン通してローテーションを守ってくれることが期待される。大野雄・福谷が今年並みの活躍ができるとは限らない。先発の柱が1本増えるというのは、たいへん良い補強ポイントである。

ただしヤクルトは宣言残留も認めるそうで、一説には4年8億を提示しているとか。これを超える条件の提示はかなり難しいだろう。長期契約の弊害を考えても合理的なのはせいぜい3年までとも思われ、欲しいけれども手が届かず(ないしは割高)ということになりそうだ。

仮にお金は準備できたとして、次はプロテクト問題である。契約保留者名簿が確定したのでプロテクトリストをドライに考えてみると、こんな感じか。

小笠原・谷元・又吉・柳・大野雄・福谷・梅津・祖父江・福・勝野・清水・山本・木下雄・橋本、木下拓・郡司・石橋、京田・石川昂・高橋・阿部・根尾・石垣・平田・大島・遠藤・岡林・福田。ここまでで28人。

上記リストでは、投手では、鈴木博、藤嶋、岡田、笠原、石川翔というあたりが、野手では井領、武田、堂上、三ツ俣、溝脇あたりが外れることになる。小笠原・山本あたりを石川翔・鈴木博あたりと比較してどっちを優先するかは、なかなか悩ましい。また、元ドラ1だの地元だの実績だのなんだのかんだのを考えたときに、堂上・藤井・岡田あたりを球団がすぱっとリストから外せるものかどうかは、かなり怪しいところだ。

おそらくヤクルトは先発型の投手を補償に選ぶと思われるので杞憂かもしれないが、うっかり加藤あたりを取られると、1軍の戦力面はともかくとして、ファームの人のやりくりはかなり難しくなりそうである。

以上を総合すると、来季優勝を目指すはずみをつける上でも小川の獲得を目指すべきとは思うものの、おそらくFAでの獲得はないだろう。結局のところ、梅津・柳・小笠原あたりの奮起で、小川を獲れない分についてはカバーできると期待するしかないようだ。

・・・と9割方このように予想しているのだが、今期終盤にマウンドに立てるようになった垣越をあえて育成に回したのは、FA参戦を念頭においた補償対策のような気がしないでもない。そこまでフロントが作戦を考えながら編成を組めるようになっているなら、それはそれで球団として大きな進歩ではあるが、さて真実やいかに。

フェニックス回顧

11月下旬まで仕事に終われまくったが、今夕は忙中閑あり(でも年内にやるべきことは山積み)というエアポケットに入ったような時間を得たので、久方ぶりの記事を書いてみる。

もともと酒量を記すために始めたブログだが、手帳に書き込むようになってから、とんと細かいことをここに書くことがなくなってしまった。ただ今月も10日以上休肝日があるという節制生活が続いている。外で人と飲む機会が全くなくなってしまったため、自身の飲酒の習慣もいよいよ変容してきたのか、週末に家人と飲む酒量もこのところ減少傾向で、ワイン1本が空ききらないという我が家では空前絶後の現象も出現するようになった。まあ、悪いことではない。

読書もこのところ本を開く気力も萎え気味であったため、『砂漠の空から冷凍チキン』はプロローグのところから先に進んでいない。あまりに進まないので買いためてあった吉村昭の『天に遊ぶ』を先に読んでしまった。実は短編小説を書くことが好きという著者あとがきはとても意外であったが、やはり氏の真骨頂は実録長編であり、掲載されている短編の中でも、フィールドワークの風景を切り取ったものの良さが目立つように感じた。

映画も、ほとんど時間がない中でなんとか『さよならくちびる』からのつながりで『ここは退屈、迎えに来て』(原作既読)を観たという程度である。大店法規制緩和がもたらした街道筋の粗雑さを横目に延々とドライブしながら話が展開するところは、地方生活のリアルを感じさせるが、なかなか鬱なものがある。主役の橋本愛にもう少し見せ場があってもよいように思うが、そうでない役回りであることに意味がある以上、そこはやむなしか。地方女子の屈託がテーマの映画だが、男性陣である成田淩と渡辺大知と村上淳が、それぞれ持ち味を出していて良い感じである(あと、遠藤の人と通りすがりのロシアの人もね)。

さて、このところストーブリーグになるたびに悪目立ちする中日である。大野の残留の良い空気を一掃した球団代表のメディアに対する立ち振る舞いには、やはり猛省を促したい。コロナで観客が激減したシーズンであり、給料を上げるのは難しいことはわかるし、交渉にはドライな要素がつきものであるが、それにしたって人気商売である。外向きには言い方ってものがあるはずだ。

来期に向けて一気にブルーな気分となってしまったが、11/29に終了したフェニックスリーグの数字を回顧しておく。

勝敗にこだわる場ではないとしても、冒頭の3戦零封が尾を引いたか、6勝10敗と大きく負け越してしまったことが、まず残念であった。

打線で合格点と言えるのは、44打数13安打8四死球で4割近い出塁率を残して持ち味を発揮した郡司と、最終戦まで5試合連続安打を放ちOPSも.7を越えた岡林の2人。石岡もOPS.7超えで何とか及第点とは言える成績ではあるが、彼の立場からすると.8台に乗るような爆発的活躍を見せて欲しかった。

期待の根尾は1軍終了後の合流緒戦で会心のHRを場外に飛ばしたが、これがかえって調子を狂わせたか、打率は2割に乗らず、安打9に対して三振13という結果に終わった。結果を求めず様々なトライを重ねている途上の結果であるものと信じたい。オフのトレーニングは平田に同行せず、大島道場に入門するとのこと。できることなら同じ左打者から学んだ方がよいはずと思っていたので、これは福音であろう。

投手では、相変わらずコントロールの不安はあるものの、優れた奪三振能力を発揮した清水が来季への大きな希望となった。かつての暴れ馬中田賢一のような成績を残してほしいところだ。あとはサイドスローに転向したヒロシが、外に逃げるスライダーに活路を見出したような気がする。まあ、そんな気がするだけかもしれないが、このままではあまりに寂しいので、今年の福谷のようなブレイクがあったらなあと、淡い期待をここに語っておくことにする。うむ。

あとの楽しみは、キューバルートからであろう新外人とライアン小川のFAの動向である。大野の男気に応えるためにも、何とかこのあたりの補強くらいはしてほしいところであるが、さてどうなるか。

 

 

来季への展望

若手を出さないなら、いっそ二桁の貯金をと願ったが、そこまで問屋が卸してくれることはなく、ドラフト時の2位から1つ順位を下げて貯金5の3位でシーズンが終了となった。いささか残念ではあるが、7月ころのカタストロフからよくぞここまで立て直したものだ。最終戦も根尾が先制の糸口となる右前打を放っての勝利を上げており、最良のエンディングとなった。

ストーブリーグ最大の懸案であったFA戦士大野の帰趨は早々に決着を見た。来季編成に影響を与えないという配慮からも、大野が本気で中日を優勝させるつもりであることが感じられた。ファンのハートを痺れさせるコメントとともに、与田ドラゴンズ集大成の年に向けた最高のプレリュードとなった。

フェニックスは3試合連続完封負けでのスタートとなったが、今日は岡林の活躍もあって初勝利を挙げたようだ。石川昂弥の不在が気がかりだが、来季の戦力として名乗りを上げる選手が必ず出てくるはず。特に今季終盤にいろいろな意味で話題の中心となった滝野には、(守備はともかく)打席での謎のミート力を存分にアピールしてほしいところだ。そしてようやく出場しつづけることができる身体となった石岡には、豪快なスイングでHRを何発もたたき込むことを期待している。

今季完全に一皮剥けた福谷・祖父江・福・キノタクや、ブレイクの気配を感じさせた松葉・勝野らに続いて、主力に名乗りを上げる選手が続々と現れることを祈りたい。